培養研究~異種交配に身を捧げた男~ (Page 4)
「うわぁぁあああ!!こっちに来るなァ!!ひィィ!!」
普段は冷静な研究員である朔も、謎の巨大生物が水槽から這い出てきたとなれば、逃げ惑うしかない。ラボと離れた円形状の暗室で、壁際まで追い詰められてしまう。対峙する生物の太い触腕は、例え噛み千切(ちぎ)ろうが、再生してくるようだ。傷ひとつ残らず、元気に動き回っているのだから。
「――あッ!!」
哀れな男の両肩をガッチリと掴んだバケモノ…ジェリーパスは、彼の身を天井の高さまで吊し上げ、乱暴に揺さぶる。
「離せ離せ離せぇ――ッ!!離してくれぇ――!!」
2本の腕が彼を拘束した状態のまま静止し、その他のヒダが身体を撫でつけるように這う。枝分かれした先からは黒く丸い物体を包んだゼリー液が零れ、白衣に擦りつけられる度、ヌチュヌチュと卑猥な音が室内に響いた。
(やめろ、やめろォ!!気持ち悪い!!こんなハズでは…)
たった1人で複数の触手に太刀打ちできるワケがない。眼鏡を床に叩き落とされ、視界を奪われた朔は、成す術もなく白衣からタンクトップにボクサーパンツまで…身に着けていたもの全部を剥(は)ぎ取られてしまう。
「おやおや、朔くん。そんな無様(ぶざま)な姿でどうしたんだい…どうやら君も、僕との約束を守れなかったようだね」
「!?」
不意に聞こえた声の主は、ジェリーパスの腕によって掲げられていた朔と同じくらいの目線…上階のキャットウォークから、彼をじっと見ていた。
「博士!お願いします、助けてください!このままでは私、あなたのお役に立つことなく、バケモノに殺されてしまいます――!」
朔はとぐろを巻いて自身を襲う触手の内側から手を伸ばし、助けを求めようとしたのだが…彼の姿を見ても津野田は鼻を鳴らすだけで、ジェリーパスの奇行を止めるそぶりを見せない。
「コイツは君を殺しなんてしないさ。自分と同じ個体を増やすために、君の腹に受精卵を植え付け、子を孕ませようとしているのだから」
「い、今なんて…ぅん!?」
白い素肌を晒している朔は、上半身の2点と、急所に走る鈍痛に顔をしかめた。
ジュルジュル…ジュルルルルッ――!!!
「うあぁあああああああッ!!」
なんと触手の群れは、朔の薄い胸筋を絞るように巻き付き、口のように割れた先から白いヨダレを垂らしながら、彼の赤黒く勃起した乳頭に齧(かじ)りついてきたのだ。ペニスにも細長いヒダが何重にも絡まり、袋も竿も上へ下へとせわしなく引っ張られてしまう。
「あぁッ!!だめ…それダメぇ…動くなァァッ!!」
予測不能な触手の動きに、彼は堪らず身体を弓なりにして反り返るが、それでは異生物の思うツボであった。泣き喚(わめ)く男を気に入ったのか、ペニスに絡みついたヒダの一部がアイスピックのように鋭利な形へと変形し、尿道口へと刺し入ったのである。
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