ぶぶぶぶ~アダルトグッズ研究会~
木原が入会したサークルは、アダルトグッズ研究会。「男のユートピア」として、女性部員はひとりもおらず、ただひたすらにアナニーを追求するサークルだ。しかもグッズの使用感を見るために、部員の前でオナニーしなければならない。そして厄介な幽霊部員が一名、このサークルには存在するのだった。
「『長い抗菌シリコンが、あなたの中をくすぐるように刺激します。新しい感覚にヤミツキ!』…だって」
「俺パス」
「それ洗うの大変そうですね」
ここは秋央大学の部室棟でも一番奥の奥の奥にある、「ぶぶぶぶ」の部屋である。この謎のサークル名は、電動こけしの音を模したものだと言われている。三代前の部長がつけたらしい。
そう、ここはアダルトグッズ研究会。しかも部員は男限定である。
「明るい自慰生活を!」をコンセプトに設立されたものなのだが、ピンクな妄想を抱えて入部希望者は多いものの、「男のユートピア」を目指すために女性は門前払い。男性にはアンケートに答えてもらい可否を決めるのだが、このアンケートがなかなかエグい。
▪️貴方はアナニーに興味がありますか?
▪️アナニーをしたことはありますか?
▪️アナニーをする場合、頻度はどのくらいですか?
▪️ドライオーガズムに達したことはありますか?
▪️アダルトグッズに興味はありますか? また、持っている場合は何をお持ちですか?
こういった調子で、とにかく性への飽くなき探究心が試される。極め付きの設問がこれだ。
▪️貴方は人前で自慰できますか?
大体この段階で、入部希望を取り消すということになる。よって現在幽霊部員を含めて総数は存続ギリギリの5名。部長が院に進むから来年も一応は安泰なものの、もはや幽霊サークルといっても過言ではないのだ。
「でも送られてきたからには試してみないとねえ…山縣くん、今週したっけ?」
「二回しましたよ」
「木原くんは?」
「…エネマグラやらされました…」
「そっかー。じゃあ順番なら僕だね」
抗菌シリコンで出来ているというバイブを引っ張ったり伸ばしたりペチペチ叩いたりしながら、部長の小林は答える。一切邪気だとかプレッシャーを感じていないのがすごい。新入生の木原など、入部すぐのデモンストレーション──先輩である山縣の痴態であった──に気圧されて、いまだに「ああはなれない」とギクシャクしながら自慰を公開するため、いつもどこかおっかなびっくりである。
「じゃ、ローション出しといて」
小林はカーテンを閉めて間接照明(この部屋唯一のおしゃれ家具である)の明かりをつけると、ためらいなく服を脱ぎ始めた。
「部長…なんですかそのパンツは」
「Oバック。最近は男性用下着もエッチなのが増えてていいねえ」
断っておくが、木原たちはゲイではない。確かにこのサークルは「ゲイの魔窟」と呼ばれているが、山縣と幽霊部員の一人・笹岡を除けば、皆ノンケなのである。小林に至っては柔和な物腰と、それからは考えられない性のテクニックによって、彼女が途切れたことがないほどだ。
小林はテーブルの上に乗ると、温めたローションをアナルに塗り込み始めた。
「このローション新しいやつかな?」
「あ、こないだまでのが切れたので、在庫の中から出したんです」
木原が掲げたパッケージをみて、小林は微笑む。
「なるほど。そこのだったらテクスチャが硬いのも納得だね」
じゃあ、挿入れるよ──。つぷ、と音がしたかと思うと、その「最先端」だというバイブレーターは小林のアナルに吸い込まれていく。しばらく手で出し入れした後に、電動のスイッチを入れた。
鬼可愛い
全員可愛い///コミカライズはよ…
名無し さん 2020年10月28日