義兄、雌犬ト化ス (Page 2)
(こいつ、何を考えて…!?)
俺は女に愛情なんて向けたことがない。ただ性欲の捌け口にしてきただけだ。もしくは、自分の出世に利用してきただけ…それは亡き妻に対しても同様であった。利己主義の俺には、何の価値も見出だせないキスなんて必要ない。生産性のない行為は時間の無駄だから。
「ぅん――んんッ!!」
絢斗の薄い唇の上下が俺のを挟み、軽い刺激が加えられた。うまく呼吸ができずに酸素を求めると、彼のザラついた舌が隙間を割って内側へと入り込み、唾液を混ぜ合わせていく。
(気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪いッ!!!)
「ッ!?」
襲い来る波に耐えられず彼の唇に歯を立ててしまえば、じわりと広がる鉄の味に、わずかな良心が揺らぐ。
「――…ご、ごめん…」
俺が逆らうのを想定していなかったのか、相手は驚いていたのだが、彼は拳で血を拭うとまた冷静な表情に戻った。
「ふーん。キスは苦手?あぁ、ヤるだけヤったら捨てるタイプなんだね、義兄さん。アンタの見栄なんかのために、美人だった姉ちゃんは犠牲になったんだ――親のいない僕たちに大金チラつかせて…姉ちゃんに毎晩激しいセックス強要してるの、見てたんだよ?いつになっても子供ができないからって乏しめて――姉ちゃんがどれだけ苦しんだのか、わかってないんだ!!」
「おわッ…!?や、やめろ!!」
絢斗は泣き叫びながら力づくで俺を床に屈ませると、こちらのネクタイを外し、両手首をドアノブに括りつけやがった。俺が女の家から出るときに整えた髪を掻き乱し、眼鏡は無残にも踏みつけられる。
歪んだフレームを眺めて、彼は笑った。
「義兄さんも僕が壊してあげる。性欲旺盛なち●ぽぶら下げたままじゃ、女のコトばっかり考えて仕事にならないでしょう?去勢しなくちゃね」
耳元で意地悪く呟いた絢斗は、そのままカプリと耳輪(じりん)を甘噛みしだした。
「ぐっ…ひゃッ!?」
それと同時にYシャツの上から俺の胸元…乳首の辺りをなぞるように、中指と人差し指で円を描いては、摘まみ上げる。
(こ、これ…なに…?ゾクゾクしてきた…俺、男だぞ?まさか義弟に弄られて、感じてんのか…?)
「義兄さん、初めての乳首弄りでもう勃起しちゃったの?Yシャツの上からでも透けちゃう赤黒い乳頭、ぷっくり膨らませてヤらしいなぁ。早く食べちゃいたい」
「――変な真似すんじゃねぇッ!!!金か?金が欲しくてこんな馬鹿げたコトを…金ならいくらでもくれてやるから…この手、解いてくれよ!!」
俺が負けじと喚いても、彼は拘束を解く気はないらしい。『変な真似』と口にしたこちらに苛立ったのか…Yシャツのボタンを引き千切り、露わになった素肌を首筋から鎖骨、そして勃起が収まらない乳首の順で執拗に舐め回す。
「あ!あぁッ!!んん――ッ!!」
(ヤバイ…腰が抜け…)
「“変な真似”じゃないよ、義兄さん。前戯ってとても大事だよ?義兄さんだって鳥肌立てて、可愛い声出してるじゃない。暴れる気力もないみたい…気持ちよすぎて力が入らなくなっちゃったんだね」
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