僕たちは、幼馴染をやめた (Page 4)

　「……たっくん、だから」

　そう呟くと、拓海が大きく息を吸うのが感じられた。ゆっくりと身体を離し、再び口づける。
彼の舌が僕の唇をゆっくりとなぞる度に、僕の身体は微かに震えた。
　誰か来るかも、と小さな声で伝えると、大丈夫だよ、と彼は落ち着いた声色で言った。

　僕らはそのまま、幼馴染という関係を手放した。

「たっ……く、ん」

　彼の指が、服の隙間から伸びてくる。
胸の突起に触れ、優しく転がすように刺激されたかと思えば、何もかも吸いつくされるようなキスを交わした。

　僕も少しぎこちなく、拓海の首筋に舌を這わせていく。
両方の突起を往復するように舐めあげ、衣服の上からも存在を主張する拓海自身に手を添えた。
上下に擦り上げるように刺激すると、拓海の口からほんの少し甘い声がこぼれ、なんとなく嬉しい気持ちになる。

　切羽詰まったように、拓海は自分のベルトに手をかけた。

「そんなに、見んなよ」

　その様子を、ついまじまじと見ていた僕に、拓海は顔を赤くしながら言った。
僕はついあわてて、恥ずかしさを紛らわすように拓海の身体に抱きつく。

　拓海が僕のズボンを下げた時、僕は何か堪えようのない快感を得たように大きく息を吐いた。
それがなんだか恥ずかしくて、けど、もっと気持ちよくなりたくて、拓海の耳を甘噛みする。

互いのモノが触れ合い、自然と腰が動き、手が伸びた。
拓海は僕を、僕は拓海を。それぞれ刺激しあいながら、快感を深めていく。

　ふと、拓海が僕の身体をベッド上に押し倒した。

「ハル、……もう、いい？」

　迷いがなかったと言えば嘘になる。
けれど、僕にはどうしようもなく、彼に応えたい気持ちがあった。
　ほんの僅かな間を置いて、僕ははっきりと首を縦に振った。

「いっ、た、ああ」

　男を受け入れたことのないそこに、拓海のモノが挿入された時、さすがの痛みに僕の身体は仰け反った。
拓海は何度も何度もキスをこぼし、腰の動きを止めては僕を愛撫する。ゆっくり、ゆっくりと。
　これまでの長い時を辿るかのように――。

「ハル、ごめん。大丈夫？」

「ん……、だいぶ、らく」

　ふと、長いため息がこぼれた。少し戸惑った様子の拓海を見て、僕はその背中に手をまわす。

「ハル……」

「あっ、そんな、擦った、ら」

　痛みと快感が混ざりあって、頭の中はこれ以上ないくらい、いっぱいになっていた。
　拓海の耳たぶに舌を這わせ、甘噛みする。少し積極的になっている自分が、不思議だった。