甘ったれ王子は花婿を選べない!

・作

アッサム国の王子グレイは優柔不断。妃を迎え入れず、教育係であるダージリンと幼馴染の騎士団長、ルフナの2人と同時交際しているのだ。いつものようにグレイがダージリンに挿入してもらっていると、遠征先から戻ったルフナにその姿を目撃されてしまう。本当に自分のことも好きなのかと怒るルフナに、ダージリンが3Pを提案して…甘くとろけるシロップセックスの行方は?

「ぁん…ダージリン、そこ…あんまり舐められると、僕…頭がクラクラしちゃう…」
「うふふ、グレイの乳首はぷっくり熟れたイチゴのように甘いですね。おへそもペニスも、私が唇を寄せればピクピク反応して…とっても可愛い」
「おいっ!2人の世界に浸ってんじゃねぇよ――!ほらグレイ、口を開けろ。次はお前の好きなベリーだぜ?毒見は俺がしといたから…とっておきにウマイのをくれてやるよ。甘ったれ王子様?」
「んぐ…もぐ…ルフナぁ、おいひぃ…んちゅ…あ、ぅん…」

アッサム国にある王宮の一室は甘い香りに包まれ、肌を擦り合わせながら唇を貪る僕達の耽美(たんび)な音色が響いていた。朝がきたことを知らせる小鳥の姿はいつの間にか消え、太陽は空のてっぺんまで昇ってしまっている。時刻は正午を回った頃だろうか。

僕、グレイは天蓋付きベッドに裸で寝転がった状態で、大好きな恋人…教育係であるダージリンから組み敷かれていた。彼の手には、僕の朝食用にとメイドさんたちが用意してくれたワッフルのセットから拝借したらしい、メープルシロップが入った瓶が握られている。それを胸、ペニス、おへそに垂らされては、舐め回される。

この様子を見て拗ねているのが、枕元に屈み込み、餌付けのごとくフルーツを与えてくれるもう1人の恋人――僕の父様が統治するこの国の騎士団長にして、幼馴染のルフナである。

この2人の恋人。どちらが1番なのかなんて、僕には選ぶことができない。だって2人共大好きで、ずっと一緒に“えっち”していたいんだもん。王子である僕は本来、跡継ぎを残すためにどこかの令嬢と結婚しなければいけないんだけど…母様が何度もお見合いパーティーを催してくれても、妃になりたがっている女性というのは気が強い人ばかりで、どうしても好きにはなれなかった。

僕はそんな人達より、幼少期の頃から面倒を見てくれたダージリンやルフナの方がよっぽど好きだ。中でもダージリンは武術もできれば、学者レベルで頭もいい。融通が利かないところもあるけど、父様や母様が社交会で城を留守にしているときでも、寂しくて泣いている僕を抱きしめて…たくさんの絵本を読み聞かせてくれた。彼はいつだって一国を背負うにはまだ力不足な僕の隣にいて、サポートをしてくれているんだ。

それが2年前突然…僕が20歳になった頃に『王子、私をアッサム王国から追放してください』と言うものだからあんまりにびっくりして、『なんで…僕がイヤになったの?』て彼に掴みかかってしまった。ダージリンが話すには、僕の面倒を見ている内に、僕のことを好きになっちゃったんだって。その告白に僕は跡継ぎを作らなきゃならない一国の王子としては“失格”だと思ったんだけど、『僕もダージリンのことが好きだよ。だからどこへも行かないで。僕が寂しがり屋なのは、ダージリンだって、知っているでしょ…』なんて返した挙句(あげく)、尻込みする彼にお願いして“初めて”を奪ってもらったんだ。

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