甘ったれ王子は花婿を選べない! (Page 5)
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「あぁああんっ!!僕の処女を奪ったダージリンのおちんちんも、狂暴なルフナのおちんちんも、どっちも好き!!どっちか1人なんて決められないよぉ!!」
この日からひと月もしない内に王室は様変わりしてしまった。王族伝統の白タキシードに身を包んだダージリンとルフナは、王子に似つかわしくなくズボンを下げ――ウェディングドレスに袖を通した僕を交互に突いて、幸せの絶頂へ導いてくれる。
僕が『王子の座を2人に譲り、僕が妃となりたいんだ』と父様と母様に願い出たときは、国家を揺るがす大騒動となった。街を歩けば石を投げられたし、暗殺を企(くわだ)てる人までいたらしいんだけど…僕の頼もしい王子様2人が世論を蹴散(けち)らしてくれたおかげで、最終的には父様が“グレイが令嬢を好まないのであれば、辿る運命は同じか…”と折れてくれたんだ。
ダージリンは父様より頭脳明晰(めいせき)で社交性に秀でているし、ルフナは腕っぷしが強いから、父様も口出しできなかったんだろうけど。
「グレイ…私のお姫様。今日は街の花市へ出掛けましょう。街の皆にドレスアップした貴方の花嫁姿を見せびらかしたいのです」
「邪魔すんな、ダージリン!!グレイは人込みが苦手なんだよ。なぁグレイ…確かに花嫁さんのお前は可愛いけど、そんな窮屈な服着て毎日城の中にいたら、身体がなまっちまわねぇか?俺が馬に乗せてひと山向こうの洞窟に連れて行ってやるよ。エメラルドの鉱石がたくさん採れるんだ――お前の浮気防止に丁度いい」
「もう2人共…どっちにも行くから、ケンカしないでってば!花市は午前で、午後から洞窟。帰ってきたらまた2人と“えっち”したいな…」
ワガママな僕は、2人から1人を選べない。
これまでも、これからも。
Fin.
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