例え過去がなくとも

・作

長瀬陽と岡山忍は高校生の頃からの恋人同士で、付き合って10周年を迎えようとしていた。記念に陽の家でパーティーをしようと予定をたてていたが、いつまで待っても忍は来ない。連絡も繋がらず、困り果てていた陽の元に衝撃の連絡がくる。

俺、長瀬陽は現役のサラリーマン、高校の頃から同級生であった岡山忍と付き合っている。

今日は付き合って10年を迎えるため、俺の家でパーティーをしようということになっていた。
俺はパーティーの準備のために仕事が終わったあとにデパートに寄り、さまざまなパーティー用品を買いそろえた。
物の少ない殺風景な男の部屋を飾り付けて、一人、部屋でわくわくしながら忍を待っていた。

だが、時間になっても忍は来ない。
連絡しても繋がらず、途方に暮れている時、忍の両親から連絡がきた。

「あっはい、長瀬です、お久しぶりです!それで何か…え?忍が…?」

手元にあったスマートフォンが落ちる音がまるでガラスの割れる音のように聞こえた。
気づいた時には俺は家を飛び出していた。
信じられない、信じたくなかったのだ。
忍が事故にあったなんて。

*****

病院に着いたとき、忍の両親が既にいた。

「忍のお父さん、お母さん!忍は…!」

そう聞くと二人は無言で手術室の方へ視線を向ける。
忍の母は堪らず泣きだしてしまい、忍の父がこちらを見る。

「陽くん、あの子の無事を祈ってくれ、あの子なら大丈夫だと」

そう言われて俺は頷く。
頼む神様、忍の命を奪わないでくれと願った。
俺と忍の両親が無言で手術室の前の椅子に座る。
明日の仕事は休んだ、手がつくとは思えなかったのもあるが、単純に目を覚ましたときに傍にいたいと思ったからだ。
手術は成功し、一命はとりとめたものの、忍がしばらく目を覚ますことはなかった。
仕方なく帰ると、飾り付けた部屋が寂しげにみえた。

*****

あれから一週間が経ち、俺は仕事の後、毎日忍の見舞いに行くのが普通となっていたある日のことだった。
忍が目を覚ましたとの連絡を彼の両親からもらったのだ。
俺は仕事を早退し、すぐさま忍のもとへ向かった。
病院に着き、彼の両親に出迎えられる。
忍の母は嬉しさのあまり涙を流しており、よく泣く人だと思うと同時に彼の無事を裏付けて安心した。

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