先輩はウラアカダンシ
同じ不動産会社に勤める安藤亮太は黒木大介の先輩だ。真面目で実直な先輩・安藤には裏垢でオナニー配信をする、という誰にも言えない秘密があった。ひょんなことからその秘密を知ってしまった黒木は、前から気になっていた安藤のことを家に誘う。
「安藤さん、これチェックしてもらっていいっすか」
「あっ…うん。大丈夫、です」
黒木大介は不動産会社に勤めて1年。
3年先輩の安藤亮太は引っ込み思案なところがあるけれど、黒木にとって尊敬できる先輩だ。
いつもピシッとしたしわひとつないスーツを着こなして、パソコンに向かっている。
しらないことはないんじゃないかというくらい、知識も深かった。
そんな先輩に黒木は勇気を出して切り出す。
「安藤さん、今日の夜って空いてます?」
「あ…空いてます、けど」
「ちょっと相談があって…俺んち来てほしいんすけど」
「家!?…わかりました」
戸惑った表情を浮かべる安藤の誰にも言えない秘密を黒木は知っていた。
*****
黒木がソレを知ったのは偶然だった。
眠れない夜にSNSでいわゆる『裏垢』というやつを眺めていた時の事だった。
間違えてタップした動画から聞こえてきたのは安藤とよく似た声だ。
黒木は思わず画面を二度見した。
鼻から上は映らないように画角が調整されてはいたが、口元のほくろは安藤とよく似ていた。
グロテスクな見た目のディルドを片手に口角をあげて画面の中の男が微笑む。
「ローションをたっぷり塗って…挿れちゃおうかな…」
カメラが下がり、艶めかしい吐息とともにディルドが後孔を出入りする。
普段はとてもこんなことをするようには見えない真面目な安藤の痴態にごくりと唾を飲み込んだ。
「ああっ…おっきい…あぁんッ、こんな、んん…ッ」
ちゅく、ちゅくっとローションが水音を立て、安藤が嬌声をあげる。
たまらなくなって黒木も自身を扱き始める。
画面の中の安藤が絶頂を迎えると同時に、黒木も達した。
「はぁっ…こんな、おっきい、おちんちん…挿れられてみたいなぁ…」
うっとりとした口調で言う安藤を見ながら、黒木はスマートフォンを操作してスクリーンショットを撮った。
*****
「え、ええと…相談?ですか?」
終業後、黒木は安藤を伴って自宅へと帰り着いた。
黒木は冷蔵庫から缶ビールを取って安藤に渡し、テーブルの対面へと座る。
「俺この前こういうアカウント発見しちゃって」
「え…」
黒木は先日見つけた安藤の裏垢をスマートフォンに表示する。
「これ、安藤さんっすよね。口元のほくろ」
アップにしたスクリーンショットを見て、安藤が小さく身じろいだ。
「いや…これ、は」
「いいんすよ、隠さなくて」
黒木は安藤の顔をじっと見つめてにやりと微笑む。
「俺、前から安藤さんの事いいなって思ってたんす」
「ちがッ…黒木くんっ」
「なんでしたっけ?おっきいおちんちん、挿れられたいんすよね?」
黒木は立ち上がって安藤の方へと1歩ずつ近寄る。
黒木は180cmを超える長身だ。
学生時代はサッカー部で鍛えていただけあって、身体はよく引き締まっている。
「俺、結構大きさには自信ありますよ」
床に座ったまま後ずさりする安藤を抱きかかえて、隣室のベッドの上へと運んだ。
「キスしていいすか」
ベッドの上に横たわった安藤の顔の横に手をつき、片手でネクタイを解きながら尋ねる。
安藤はちいさく頷いた。
最近のコメント