サンカヨウ~男娼ノ愛~ (Page 2)
奥の部屋へ誘われると、する事は1つ。手慣れたそれは日織が相手であればまるで初めての時のような高揚感と気恥しさで胸がいっぱいになってしまう。
その大きく暖かな手を取ると、柔和で優しい彼に似合わない力強さで引き寄せられ少し強引な接吻で唇を割られる。
「…っ、ふ、ん…」
器用に、帯を緩め畳へ色鮮やかな着物が広がる。
「ん、まっ、て…襦袢だけでも…のこし…」
それはささやかな抵抗。この身は男であるから。いくら女の様に着飾って美しくなっても、布を剥ぎ取れば貧相な身体の男なのだ。
「雪之丞、見せて」
行灯の灯りがゆらゆらと揺れ、肌を照らす。
日織の瞳に獣が宿る。
「ほら、咥えて」
反り返る男根を口元へ寄せられゆっくりと口へ含む。むわり、と広がる男の匂い。
じゅるじゅると舐り吸い上げると切なげな吐息が漏れ、大きな手が俺の頬を、髪を、頭を撫でる。
睾丸を揉みしだきながら、熱さを形を匂いを味を確かめながら口淫を続け、唇から顎へ喉元へと唾液が伝っていく。
「ふふ、雪之丞、可愛いね」
日織のモノを咥えながら、反応を示している自分のモノを日織は足先でくにくにと弄ぶ。無骨な指が、不器用に尿道口を弄びつつっと裏筋を引っ掻くと、びくりと身体が震えくぐもった嬌声が上がった。
「ふうぅ!うう!」
「だめ、離さないで」
ぐい、と頭を押し付けられ喉奥まで入り込む。
苦しさと愛おしさで目の前がチカチカと明滅する。
「あぁ、雪之丞、好きだ」
切なげで、愛おしそうな顔で。
その大きな両手で頭を押さえ喉奥を犯しながら日織は好意を口にする。
(俺も、好き。好きだ。愛してる。でも──)
「雪之丞、出、る…」
引き抜かれ、花が、散る。
肌を彩る、白い花弁。
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