優しいカレシに『ラブホでなんでもする券』を渡した結果 (Page 2)
玄関からもう口づけでトロトロに愛されてしまい、俺はもうふらふらだった。佐野は、そんな俺を見てひょいっと持ち上げ…お姫様だっこをし始めた。
「え!?ちょ、佐野!?」
「んー?」
「重いから!降ろせって!」
「んー…まあ重いけど…。祐太くらいなら全然持てるよ。祐太が腰たたなくなったんだからしょうがないよね」
「っ…」
たしかに佐野の方が背は大きいし、体格はしっかりとしているが、佐野にここまでの力があるとは思わなかった。そして、普段はおっとりとしていて感じない男らしさをまじまじと感じ、正直かなり興奮していた。
佐野は、俺をベッドに優しく降ろしたあと、俺の頭を撫でてまた口を重ねてきた。
「ま、まって!このままヤるの!?」
「うん…俺もう無理…」
「え、ちょ、シャワーとか…」
「…」
俺は慌てて制止するが、佐野は気にせず俺の服を脱がそうとしてくる。いつもの佐野だったら、細かく俺に確認をとるし、俺が少しでもいやがることはしない。
「無視…すんな!!」
佐野の顔に手を添えて、無理矢理目を合わせる。すると、佐野の据わった視線とぶつかる。その瞬間、まるで蛇ににらまれた蛙のように、なにも言えなくなった。
しかし、佐野は次の瞬間はっとした表情に変わって、俺をやさしく抱き締め、深いため息を吐いた。
「あー…ごめんね。祐太。俺、ほんと余裕ない…たぶん、いや、絶対…止めてって言われても止められないかも…それでもいい?」
声色は完全に、いつものやさしい佐野だった。しかし、少し上ずっていて、明らかに余裕がないのも伝わってくる。
どうしようもない高揚感に襲われる。
好きすぎるのだ、あまりにも。
俺は佐野のことが、そして佐野は俺のことが。
「…いいよ」
「えっ」
「…まさか、こんなに佐野が喜んでくれると思わなくて、びっくりしちまったんだけど…。俺、ずっと、佐野の好きにしてほしいって思ってた。いつも俺のこと気遣ってくれるから」
「…そりゃ、だって祐太の方が負担が圧倒的に大きいんだ」
「はいはい。…でも、そんなやわじゃねーから…さ?佐野クン?」
俺は、佐野の後頭部をぐっとつかんで、自分の口許に引き寄せ、耳元でささやく。
「なんでもして…?」
「っ!?あ~!もう祐太!知らないから!」
佐野は、俺の口を食べるようにくらいつき、がむしゃらに貪る。
まさか、あの券がここまで効果絶大だったとは思わなかった。そして、俺を求めてくれる佐野があまりにも嬉しくて、俺を興奮させるには十分すぎる材料となった。
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