今度までには。〜気ままな恋人〜 (Page 4)
「…まぁ、何にしろ今まで俺が全部適当だったせいなんだけどね」
「…それにしても、こんなの撮られるなんて、詰め甘すぎなんだよ…っ!普通はこういうの予測して、一緒に歩いたりしないもんだろ」
「はは…そうだよね。俺、優雨と違ってよく自覚無い!って怒られるけど、こういうところだよなぁ」
週刊誌の写真をよくよく見れば、確かに2人で並んで歩いているだけで、手を繋いだりキスをしたりしているわけではない。文章や写真の撮り方で、うまく雰囲気が作り出されているという見方もできる。
「明日、事務所がコメント発表するって。完全に火消しは出来ないかもしれないけど」
「初のスキャンダルだし、少なからずイメージには影響あるだろうな…」
「うぅ…やっぱりそうだよね…」
さっきまでの気丈さは消えて、晴人はいつもの頼りない彼に戻った。
「これでもうダメになっちゃったらどうしよう…自業自得だけど」
「お前なぁ…!なんでそこで自信喪失するんだよ」
気合を入れるように、俯いた彼の両頬を軽くバシッと叩く。当然、びっくりして跳ねる肩。
「いてっ」
「俺は、お前がどうなっても隣にいるから。何も無くなっても、俺がいる」
「優雨…信じてくれるの?」
「…自分でも単純だと思うけど、信じてやるよ。それに一回文句言えたから、スッキリした」
「さすがに、あんな風に怒られて浮気できるほど度胸ないしね…」
結局俺は、こうしてまた晴人を許す。
そして、もう少し晴人の帰る場所として自信を持ってもいいかなと思えた。
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