バズる?!無人島トライアングル (Page 2)
到着した無人島のコテージはそれらしく荒んだイメージかと思っていたが、意外ときれいだった。
7人にそれぞれ1部屋ずつ与えられ、リビングとキッチンは、共同で使える広いものだった。
部屋で荷を解きくつろいでいると、ドアをノックする音がした。
「誰?空いてるよー」
迎え入れるのもめんどくさいので、勝手に入るよう促すと戸を開けたのは、テツロウだった。
「よう、俺となりだから。よろしくな」
「テツロウ!こちらこそよろしくなっ!一緒に1ヶ月がんばろうぜー!」
挨拶だけすますと、テツロウは親指だけ立ててその場を後にした。
無口なわりに、律儀なやつだ。
またしばらくすると、ノックの音が聞こえ、
「マナちゃーん!入るよ?」
というと同時に戸を開けて、ケンさんが入ってきた。
ケンさんは事務所の先輩で、(もう辞めて個人でやっているらしい)フランクで誰とでもすぐ仲良くなってしまう、社交性の塊のような人だ。
ネットラジオもやっているらしく、話も面白いしトークの回しは学ぶべきところの多い尊敬できる先輩だ。
しかし難点なのが、パーソナルゾーンが極めて狭い上に、スキンシップが激しいところだ。
今もすぐ隣に腰掛けて、肩に手を回しながら何だかんだと激しいリアクションで、おれにちょっかいを出してくる。
「そういや、マナはサトウ君と知り合いなんだ?」
「ああ、そうなんすよ、学生時代の同級生です」
「仲、よかったの?」
「いやーどうだろう?別に特別仲良くも悪くもなかったっすね」
「あれ、そうなの?ふーん…まあいいや、また夕食でね〜」
「?はーい、おつっすー」
1ヶ月の間だけど、なんとかみんなで楽しく過ごせたらいいな…と思いながら、何かハプニングがあった方が絶対にフォロワーも喜ぶし、バズるに違いない。
まわりに何かおいしいことが起こらないか、色々とワクワクしてしまって初日はなかなか寝付けなかった。
*****
一週間が過ぎようとしていた。
わかったことがいくつかある。
ユウタとリョウマがめちゃ仲良しになったこと。
二人きりでよく魚釣りにあちこちに行っている。
リンペイとマサルはオネエで口うるさいこと。
洗濯物やら、食器の片付けやら!あと昨日パンイチで歩いていたら、めっちゃ怒られた。
「自覚が足りない」そうだ。
よくわからん。
そして面倒なのが、テツロウとケンショウだ。
なんだか知らないが、張り合っていて、俺が見ている前では大体険悪な感じだ。
遠慮なく言い合っているのが、俺の知っている二人とは違うイメージで新鮮だった。
二人は大体俺を挟んで、なんだかんだと喧嘩している。
打ち解けるのはいいことだけど、いつも俺の真横でやり合うものだから、うるさくて仕方ない。
この前もケンさんと風呂に入っていたら、テツロウが乱入してきてなんだかやたらと怒られた。
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