もどかしくてじれったい (Page 3)

絶頂に達する寸前に脳内ではなく直接耳に入った愛しい人の声に、唇を噛んで我慢しようと思っていた大きな嬌声が漏れ出てしまう。身体がビクンビクンと大きく痙攣して、予想外の快楽に酔ってしまったかのように身体が思うように動かせない。

そうしていると、浴室のドアがゆっくりと開いた。

「お楽しみだったみたいだね」

ふふふと甘く囁く彼は、きっと今凄く楽しそうな表情を浮かべているんだろうと、ぼうっとする頭でぼんやりと思った。一体いつから見られていたんだろうと視線を宙に漂わせていると、彼も浴室に足を踏み入れてくる。

スウェットのズボンだけを身に付けた彼は、それが濡れるのも構わず伊織の目の前に座り込んで、自身の指をいやらしく飲み込んだままのそこをゆるりと撫で上げた。

「あっ…!」

「俺もまぜて」

目の前で囁かれて唇を奪われる。ちゅくちゅくという音を響かせ舌を吸われ、伊織がまたぼんやりとしていると。

「んんっ…!」

ゆるゆると彷徨っていた指が、中に入り込んできた。もちろん中にあった指はそのままに、隙間から。

突然の圧迫感に、塞がれた唇からくぐもった声が漏れる。そんなことも気にせず昌也は伊織の手を掴み、自らの指と一緒に動かし始めた。

自らの指が入っているのに、快楽は昌也から与えられ。自らの指が入っているのに、届かなかった奥に届いて。快楽に支配された頭ではまるで理解も出来ずに、されるがままに波に飲み込まれていった。

まるで指まで性感帯になってしまったかのように、何もかもが気持ちが良くて仕方がない。

「…は、んぁっ」

唇を離すと首筋に吸い付かれて、再び花を咲かせる彼に縋りつく。

「昌也ぁっ…も、ほし…い…!」

もう限界と伝えると、奥までぐちゃぐちゃに突き立てていた指を僕の指と共に引き抜かれた。

「…入れても、いいかな?」

力の入らない身体を無理矢理立たされ、温もった壁に押し付けられる。普段よりも少しハスキーに問われてクラクラしていると、返事も待たずに彼が入ってきた。

いいかな、なんて聞いておきながら、もし駄目といってもやめる気なんてさらさらなかったんだろうと思うような激しい律動にぎゅっと瞳を閉じた。

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