こんなふうになって、ごめんなさい。
歳の離れた妹の連れてきた男、犬飼と仲良くなった広輝。その日は2人で酒を飲んだ帰りだった。「うちで休んでいったらどうです?」誘われて訪れた犬飼の家で組み敷かれてしまう。情事の姿を写真に撮られてしまい、それをネタに関係を迫られた!妹への背徳心は、やがてそれすら興奮する材料として、犬飼とのセックスに溺れていく…。
もう何度目になるかわからない。
今日もまた、ひとまわり近くも年下の男に抱かれ、バームクーヘンのように折り重なった罪は、口の中で甘く解けていく。
体を重ねる度、重くなる罪悪感、背徳感。
それに反比例するように高まる興奮-
自分がこんな人間だなんて思いもしなかった。
思えば、はじまりは唐突ではなかった。
十分に布石はあったのだ。それに気づかなかったのは、無知ゆえか、それとも「こんなおじさん相手にそんな事はない」と気づかないふりをしていたのか。今更どちらでもいいことだ。
妹の留衣が連れてきたのは、顔立ちの整った青年で、歳の離れた妹の2つ上、24歳だった。
犬飼というその青年は上背は俺よりも少し高く、背筋の伸びた姿勢のよい姿をしていた。
酔った妹に「ワンちゃん」などと呼ばれても、気にする風でもなく、ほころんだ口元から白い歯を見せてはにかんで見せた。
半年も経たない頃には、個人的に犬飼と親しくなり、妹抜きでも2人で飲みに行く仲になった。その度に、留衣には「ずるい!」と膨れっ面でヤキモチを妬かれては、「い〜だろ〜」とおちゃらけていちゃついて見せるのも、またひとつの楽しみだったのに…。
組み敷かれたあの日から、全てが変わってしまった。
*****
あの日は、2人で終電まで呑んで犬飼の家に転がり込んだ。
2人とも酒には弱くも強くもないので、呑んだのは大した量ではないはずだったが、その時の俺はとにかく眠かったのだ。
「広輝さん、家で休んでいったらどうですか?」
その誘いに乗って、タクシーで10分ほどの犬飼の家に向かった、所までは覚えている。
気がついた時には、裸で犬飼に組み敷かれていた。
開かされた脚の間に、犬飼の下半身がみっちりと埋め込まれ、その部分が熱くヒリヒリする感覚と、硬く勃ち上がった自分のペニスか張り裂けそうな感覚。
眠気とアルコールの余韻に包まれ、ぼんやりとしつつも腰の奥に芽吹いている快感を求めて、体が勝手に動き出す。耳元で囁かれる犬飼の吐息と、俺の名前を呼ぶ声を、耳の奥に水が詰まったような感覚で捉えて、赴くままに快楽を追い求めた。
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