僕が一番気持ちがいいのは、尊敬する上司に褒められたとき (Page 2)

「こんなことで頑張らなくていいんだよ」

 飯島さんは僕が寝ているソファの下にしゃがむと、目線を合わせてきた。手が伸びてきて、寿司屋のときと同じように頭を撫でられた。

「加藤くんはよく頑張っているよ…」

 飯島さんの声で頑張ったねと言われながら、頭を撫でられるのが気持ちいい。そのまま眠ってしまいそうになったけれど、やっぱりこれ以上は迷惑かけられない。

「あの、水を頂けませんか」

「ああ、少し待ってて」

 体内のアルコールを薄めれば、なんとか帰れるだろう。お水だけもらおうと、コップを持った飯島さんが目に入ると起き上がろうと身体を起こそうとした。

「うっ…んぅっ」

 口をつけるのは冷たくて硬いグラスのはずだったのに、与えられた感覚は飯島さんの熱くて柔らかい唇の感触だった。その口の隙間から、生ぬるい水が流れ込んできて、喉を鳴らして飲み込んだ。

「もう少し飲む?」

「はい…」

 何がなんだかわからないのに、そう返事をしてしまえば再び口を塞がれ、液体が流し込まれる。それを飲み込んだのに、また唇を合わせられ今度は熱い舌が口の中に侵入してきた。

「ふぅっ…うんっ…」

 酔って正常に働かない頭のせいで、甘くて蕩けるようなキスに夢中になってしまっていた。優しくかけられた、彼の体重も心地よくて、腕を掴んでキスに夢中になる。

「ん…上手だね、加藤くん」

 褒められて嬉しい。キスの気持ちよさと一緒になって、頭が蕩けていく。飯島さんって甘くていい匂いがする。

「もう一回いいかな?」

「はい…」

 もう正常な判断なんてできていなかった。自分から顔を寄せると、口をあけてお互いの舌を絡ませた。水音を鳴らしながら彼の匂いと暖かさに集中していると、胸の先端に甘い痛みが走った。

「あっ…!」

 首を横に振ってキスから逃れると、声を上げてしまった。

「痛い?」

「んっ、少し…」

「じゃあ、こっちで気持ちよくなろうか」

 胸にあった手が下へ降りていき、僕の股間までたどり着いた。

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