愛とセックス (Page 3)

「んっ…んんっ…」

「そう、もっと舌を使って全体を舐めて」

その日、優理は光のモノに初めて触れることとなった。

「下唇でココ擦って」

優理は言われた通りに、口を動かした。

「あっ…」

憧れていた人が今、自分の手で喘がされている、その事実は優理の心を刺激した。この人のもっと弱い部分が知りたい、見たい、その欲求は少しずつエスカレートしていった。

「光さん…そこに手をついて」

優理は光を立たせて、ピアノに手をつかせる。

優理は背後から光を抱きしめ右の手で光の陰茎部を擦った。

「人にやってもらうと気持ちいいですよね?」

「あ…ん…もう出る…」

「大事なピアノの前で出しちゃうんですね」

「そんなっ…」

「このピアノ弾くとき、僕に抜いてもらったこと思い出してくださいね」

そう言いながら優理は扱く手を早めた。

「…っ!」

溜まっていたのか、優理の手にはたっぷりと精液がついた。優理はそれを舐め取る。

「いつでも僕のこと抱いてください」

優理は光にそう告げたのだった。

 

光は少しずつ元気になっていったが時折ピアノが弾けなくなりガタガタと震える日もあった。しかし優理と体を重ねると恐怖が和らぐのかまたピアノが弾けるようになるのだった。

光は前戯では優理を手ひどく扱うのに、挿入すると途端に優しくなり、優理を求め続けた。

「僕はひどい男だな」

優理はふとベッドの上で呟く。きっと光はもう優理がいなければピアノは弾けないだろう。憧れの存在を自分の手の上で飼うことができたのだ。そして憧れの存在を手に入れた優理もまた、光の元を離れることはできないのだ。

「優理起きた?」

ふと光が部屋に入ってくる。

「さっき起きました、光さん、ピアノ弾いてたんですね」

「んー、なんか気分がよくて」

そう言いながら光は優理の隣に腰掛ける。

「どうしたんですか?」

「…おはようのチュー」

優理はその姿を見て、キョトンとした顔をする。

「…なんだよ」

「あははっ、光さんって結構子供ですよね」

そう言いながら優理は光の唇にチュッと音を立ててキスをした。

お互い依存するだけの不毛な関係だと思っていた。でももしかしたら人はこれを愛と呼ぶのかもしれない、優理は胸の奥にこの気持ちをしまうのだった。

Fin.

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