幸も不幸も君の手で (Page 6)
溜まってる?とアタルくんに指摘された通り、ここしばらく1人でスルこともご無沙汰だったから、アタルくんの手で扱かれた僕のソレはすぐに高みへと昇っていく。
「ぁ…っく、イキそ…」
と、思わず口から漏らした時、パッとアタルくんの手が離れた。
「え…」
寸前で止められたということに頭が追いつかなくて、怖々とアタルくんを見やれば、意地悪そうな顔のイケメンがこっちを見ている。
「コウタくん、どうしたい?」
「ど…うって…ひぁっ」
オロオロとしている僕をあざ笑うみたいに、アタルくんの指先が鈴口をトントンと刺激してくるから、変な声が出た。
「コウタくんが嫌ならやめるからさ。どうしたいか教えて?」
この状況で、ここまでしておいて、何を今さらそんなことを言ってくるんだ…と一瞬わいた疑問にすぐにハッとした。
違う。この人は、僕をこの状態にしてからあえて今、聞いてきたのだ。ニヤリと上がっている口角がそれを物語っている。
口の中の水分がカラカラになっていく気がした。キュゥと下唇を強く噛んでから、僕は震える声で言うのだ。
「イキたい…。イカして、ほしい…」
「お望み通りに」
そう言うと、アタルくんは僕のお尻のほうに手を伸ばしてきた。枕元のミニボトルを手早く取ったのが視界の端に見えた。
「アタルくん、あの…」
「力抜いてね」
「ぇ…」
バッと足を開かされたかと思ったら、股関節の少し下ぐらい、内ももの際どいところに、チュッと唇を当てられた。軽く吸い付くように、ついばまれると、まるで性器に口づけられているみたいで変な気分だ。こんなところに、キスをされたことなんて1度もなかったから。自然に股関節のあたりが緩む感じがして、軽く腰を浮かせたら、アタルくんの手が僕の両足をヒョイと持ち上げて肩にひっかけてきた。
足を持ち上げられているせいで、自分の下半身がバッチリと見えてしまう。テラテラとローションで濡れたアタルくんの手が、僕の後孔に触れた。
「この体制だとあんま力入んないでしょ」
「あ…ひ…」
ヌプ…と、孔に指が入っていくのがわかって、けれど抵抗のしようもない。
アタルくんは、3分の1ほど中身が残っていたミニボトルを、僕の下半身の真上に持ってきたかたと思ったら、おもむろにそれを真っ逆さまにする。ボトルの口からドロリと細い線になった液体が落ちていくのがスローモーションのようだった。
ピトッと、孔のすぐ近くに着地したローションは、そこからトロトロと僕の下半身を侵食するみたいに、垂れていく。
「あっひぁっあああっ」
指で広げられている後孔に、ついさっきイク寸前で止められていた自身に、根元にある袋に、脇腹に…流れていくソレはまるで身体を這う蛇のようで、くすぐったいのとキモチいいのがグチャグチャになって、意図せずとも声がこぼれでてしまう。
力なんて入らなくて、アタルくんの肩に両足をかけさせられたまま、僕は打ち上げられた魚みたいにピクピクと腰を跳ねさせるぐらいしかできないのだ。
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