幸せな時間は、たくさん。 (Page 2)
薬を飲んで、朝食の残りを冷蔵庫へしまう。
トイレに寄った後、ふと洗濯物が気になった。
「将くんの服…」
ヒート中オメガには、番の匂いがついたものを集めるという習性がある。
僕は、将くんの洗濯物をかき集めて、ベッドに引っ張り込んだ。
「抑制剤…飲んだんだけどな…」
ムラムラして仕方がない。
夜になったら将くんがいっぱいシてくれるって言っていたのに、将くんの服をかき集めたおかげで、我慢ができなくなってしまった。
パジャマのズボンの中で弾けそうなほどに育ってしまったペニスに指を絡ませる。
将くんの洋服に顔を突っ込んで、僕は激しく手を動かした。
「将く…っ、将くん…!!」
あっという間に果てたのに、身体はぜんぜん満足しなくて、二度、三度と射精する。
それでも足りなくて、身体の中を将くんに埋めてほしくて、涙が出た。
これ以上したら、夜まで持たないと思いなおした僕は、身なりを整えてからまたベッドに潜り込む。
将くんの匂いに包まれて、また高ぶってきそうだったけれど、何度か抜いたおかげで疲れてしまった僕は、するりと眠りに落ちていた。
「アキちゃん、アキちゃん」
優しい声に揺り起こされて目を開けると、将くんが目の前にいた。
「…おかえり…」
「ずっと寝てた?」
「ん…」
布団をめくった将くんは、自分の洋服が敷き詰められている様子にふっと笑った。
「またオレの洋服で巣作りしてる」
「ごめん…将くんの匂いを感じたくて…」
「洗濯物で満足した?」
するりと頬を撫でられて、思わず甘えてしまう。
「ううん…、よけいにムラムラして…一人でシちゃった…」
「帰ってくるまで我慢できなかったの?」
「ごめんなさい…」
将くんは、僕にベッドをあけるように促してから隣に乗り込んでくる。
「一人でシて、満足しちゃった?」
微笑みながら囁かれて、カッと熱くなった。
「してない…っ、将くんに入れてほしくて途中でやめたんだ…!」
洗濯物の残り香じゃない、本物の将くんのフェロモンを吸い込んで、僕の身体は燃え上がる。
「どうして?」
「将くんにシてもらわないと…気持ちよくなれないから…」
「アキちゃん、誘うのが上手になったね」
優しい声で囁きながら、将くんは僕の身体をそっと撫でた。
「将くん…早く、早く抱いて…!」
はしたないと思いつつ、僕はおぼつかない手つきで服を脱ぐ。
「こらこら、脱がす楽しみを奪わない」
将くんがズボンと下着を脱がせてくれると、下着に糸を引くほどに、僕の後ろは濡れそぼっていた。
「アキちゃん、見える…?糸引いてるよ」
「っ、だって、早く欲しい……」
身体中キュンキュンと切なくなってしまって、僕は脚を開いた。
「お願い、将くん…、早く抱いて…」
「アキちゃんって、ホント可愛いね」
微笑みながら、将くんは僕の後ろへ指を沿わせた。
「あっ、あっ…!」
すでに限界を訴える僕の身体は、たったそれだけの刺激で絶頂する。
身体の中が引き絞られるような感覚が続いて、息も止まりそうだった。
「アキちゃん、イッちゃった?」
こくこくと頷くしかできない僕に、将くんは愛しさを滲ませた表情を向けてくれている。
「そんなに入れてほしかったんなら、焦らしちゃかわいそうだね」
将くんはそう言うと、ベルトをはずして前をくつろげ始めた。
勝手に期待を高める僕の身体は、切なくてたまらなくなっている。
最近のコメント