運命の相手に、負けたくないから

・作

ベータ男性の宮島昌樹は、アルファ男性の新藤レンとラブラブの毎日。ところが引っ越し先で隣の部屋になったオメガ男性がどうやらレンの運命の番のようだった。普段より興奮しているレンを、なんとか自分の方へ振り向かせたくて、昌樹は必死にレンに抱かれ…

僕、宮島昌樹はベータの男だけれど、大学で出会ったアルファの男、新藤レンと恋に落ちた。

僕はレンが好きで好きで、片時も離れたくないくらい大好きになった。

大学を出て就職が決まった僕たちは、一緒に住もうと部屋を借り、引っ越しの挨拶に隣の部屋を訪ねた。

「…!」

「!!」

ブワッと音が聞こえるかと思うほど、ベータの僕でもわかるくらいに噴き出した、隣人と、レンの二人分のフェロモン。

(あぁ…、この人はレンの運命の人なんだ…!)

このままでは、レンは僕から離れて行ってしまう。

そう直感した僕は、一刻も早くこの場から離れなければと思った。

「すいませんっ、また改めて伺います!」

僕は必死にレンを部屋に引っ張っていった。

何とか玄関扉に鍵をかけて、寝室まで引きずり込む。

「…っ、く…、うぅ…」

レンは、強制的に起こされた発情に苦しんでいた。

抗えない『運命の番』への欲求が、彼の身体を支配しているのだろう。

「ねえ、レン、お願いだから、行かないで…!」

振りほどかれるかもしれないと思いながら、レンを必死にベッドへ押し倒して、のし掛かった。

フーッ、フーッと落ち着かない呼吸のレンから、なんとか服を剥ぎ取る。

抵抗されなかったことに、安堵した。

枕元の引き出しからローションを取り出して、自分で後ろをほぐしながら、かわいそうなくらいに立ち上がって張りつめているレンのペニスにキスをする。

それは…いつもよりも大きくて、いつもよりも硬い。

それを感じて、涙が出た。

ベータの僕ではダメなんだと、現実を物理で叩きつけられた気がした。

それでもいつもよりも丁寧に、愛しさを込めて愛撫する。

レンのペニスが萎えないことが、こんなにも嬉しいなんて初めて知った。

「ねえ…できる?…僕のこと抱ける…?」

自分でほぐして緩みきった穴は、レンが欲しくてヒクヒクと収縮している。

レンはまだなにかに耐えるようにして、眉間にシワを寄せていた。

「入れちゃうよ…」

レンには、返事をする余裕すらないのだろう。

入口にレンのペニスを宛がって、一気に腰を落とす。

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