推しのエッチなライブ動画が配信されました。

『今日も見てくれてありがとねー』

　俺は推しである”ゆうや”のライブ配信を見ているところだ。

　推しである彼は、ゲイであることを公表していて、でも普段は自分の日常を話していたり、視聴者のメッセージに答えたりしている。そして男性なのにかわいい。

　でも彼の人気はそれだけではなくて。たまに話すゲイならではのエッチな話が人気なのだ。
　
　彼と彼の彼氏の実体験を元に、エッチのときはこのローションがいいよ、とか、ゲイのエッチはこのゴムが最適、などなど…。たまに出てくるエッチな話を俺だけでなくみんな聞きたくて、毎日見てしまう。

『あっ、もう終わる予定だったけど、投げ銭うれしいー！　ゆうや大好きさん、ありがとう～』

　だれかか投げ銭をしたようだ。

「投げ銭したのにハンドルネーム！　名前呼んでもらえるのに、自分の名前にしろよっ」

　俺のよくわからないこだわりを、画面向こうの”ゆうや大好きさん”に投げかけた。

「俺も投げ銭したいな…。でも金がなぁ…」

　貧乏大学生の俺には数百円が限度で、それも何度もしていると非常にきつい。泣く泣く諦めるしかなかった。

『じゃあ、ここで終わりですー！　また見てねっ』

　画面のむこうでゆうやは可愛く微笑んで、録画停止ののボタンを押して、こちらの画面は切れた。はずだった。

『ゆうや、終わった？』

『うん、今日も投げ銭多かったー』

　画面はまだ切れていなかった。でも、ゆうやは気づいていないようで、家にいる誰かと話している。

『もう待てないんだけど』

『りょう、スマホ片付けるから待って…んっ』

　ゆうやが映っている画面から、りょうとかいう、ガタイのよさそうなイケメンが入り込んできた。そしてゆうやの顔を引き寄せて、キスをしている。

『りょう、ちょっ、かたづ…っ、ぅんっ』

　片づけをさせてくれないのに彼は少し抵抗しているが、そのりょう、とかいう男は構わずに、べろちゅーをかましている。くちゅっという音が、俺の耳に直接届いてきて、たまらず唾を飲み込んだ。

『もう待てないって、ほら』

　二人ともまだ配信されていることには気づいておらず、りょうは立ちあがり、ズボンと下着を一緒にずらすと、ゆうやの顔の前に突き付けた。