エネマグラなんか知らない俺と (Page 3)
「大滝進さん、私は面接の際にその名に恥じる人生を送ってきたあなたのことを気に入りました」
「はは…なかなかに皮肉ですよね、滝は滝でも滝壺みたいな人生で」
「進むどころか後退ばかりですしね」
もう一本吸おうと取り出した煙草を止められて顔をあげると、ロータリーに明らかに場違いな高級車が停まっていた。
手を引かれるまま車に乗り込めば、そこで改めて煙草を差し出される。
どうせどうにもならない人生だ、いっそ諦めにも似た感情を抱えたまま遠慮なく煙草に火をつけて煙を吐き出す。
「っ!ちょ、社長ってそっちの趣味があるんですか?」
「そっち?同性愛?ないですよ、私は大滝さんだから触っているので」
「いやいやいやいや、そんなん信じられないし俺はいいとも言ってな…っ」
「痴漢してくる男の車に乗り込んだ時点でもう合意でしょ?目的地に到着するまで仲良くしましょうよ」
電車の中とは違って堂々と内腿を撫でながら身を寄せてくる社長の押しに勝てる気がしない。
俺の片手が煙草で塞がっているのをいいことに、ワイシャツのボタンが外されていく。
さっきまで弄られていた乳首は外気に触れて立ち上がり、弄られていなかった方と比べて少し赤くなっていた。
運転手は後ろの状況がわかっているはずなのに何も言わないから口止めをされているんだろう。
「ん、…しゃちょ…ぅあ!」
「大滝さんは左より右の方が感度がいいんですね」
「ひっ待ってくださ、灰、灰がっ」
くりくりと爪先で乳輪をなぞられ、さっきは触れてもらえなかった根元に爪を立てられると股間が熱を持つ。
落ちそうな灰に気を取られて制止できずにいると、胸板を辿った指が右の乳首に触れる。
その瞬間肩が跳ねあがって灰が落ちた。焦がしたらいくらするんだ、そっちの方が気になって慌てて灰皿に煙草を押し込んだ。
「ンッんぁ、待って…そんなした、らっンンッ」
爪で乳首をなぞられるだけでも声が出る。とはいえ社長相手に殴るわけにはいかないし、逃げようにも車の中。
せめて声を出さないようにと口を押える以外できることがない。
右から左に指が移動するだけで少しほっとする程度には感度が良好すぎるというのに、社長の顔が胸に近づいていく。
何をされるか察して咄嗟に肩を掴んだものの、止めるより早く社長の舌が俺の乳首に絡みついた。
舌と指が左右の乳首を責める。ゆっくりと乳輪をなぞり、尖った先端部を歯と爪で挟まれる甘い痛みと快感。
(やば、イく…嘘だ、胸で…乳首なんかでイきたくない、絶対に嫌なのに)
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