恋をするなら君と (Page 2)
「痛かったら言ってね」
自身を取りだしてゴムをつけている間にも、早く早くと言うように湊の後孔はひくついていた。ゆっくりと挿入していくと、熱を帯びた粘膜に包まれていく感覚に眩むほどの快感を覚える。気を抜くと持っていかれそうになる意識を保つために奥歯を強く噛みしめる。
「全部入ったよ」
「りくと…動いて」
「うん、動くね」
初めは浅く抜き差しを繰り返して馴染ませて、それから少しずつ抽送を大きくしていく。
「んっ…はぁ…あァっ…」
苦しげだった湊の声が甘さを孕み始め、段々と吐息の中に艶やかな色が混ざり始める。
「ここ好きでしょ?」
「すき…だいしゅき…」
ぐりぐりと押し潰すようにしながら最奥を突いてやるたびに、きゅうきゅうと中が締まって精を搾り取ろうとしてくる。
「あー…ッ!おくきてゆ…!またイク…!」
「いいよ、何回でもイッて」
「はぁ…あっ!ん~〜〜〜ッ!!!」
背中を仰け反らせて達する湊の姿はあまりにも淫靡で美しかった。その瞬間の強い締め付けに逆らわずに俺も欲を放つ。薄い膜越しに感じる熱を逃がさないというように、さらに強く締め付けられて思わず苦笑してしまう。
「湊、好きだよ」
汗で額に張り付いた髪を払いながら告げた言葉に返事はなかった。ただ虚ろな目をした湊が、ぼんやりとした表情で俺を見つめ返していた。
「…俺も好き」
ありえないはずの言葉が耳に届いて心臓が大きく脈打つ。どうして今更、湊が俺のことを好きなはずがないのに。期待してしまいたい。でも期待して傷つきたくない。相反する感情で心が掻き乱される。
「…陸斗が、俺の好きな人」
聞き間違いじゃないのかと思った。俺の都合の良い妄想なんじゃないかとも思った。それでも、俺のことをまっすぐに見据える湊の視線は、それが現実であることを如実に物語っていた。
Fin.
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