スパダリはスイートルームで跪く

・作

スイートルームに呼ばれた男娼の雪矢。出てきたのは半年前に別れた元彼の秋彦だった。秋彦が金にものを言わせて根回ししたと思った雪矢は苛立つ。仕事させろ、と秋彦を愛撫するが、今夜の雪矢にはある考えがあった…。スパダリ秋彦が雪矢の手練手管でアナル開発されてしまう!

「6時間コースって…正気の客じゃなさそうだな」

雪矢は高級ホテルのロビーを抜けると、指定された部屋へ向かった。

今夜は復帰後初の仕事だ。

男娼の世界から完全に足を洗ったつもりの雪矢だったが、眞野秋彦との別れをきっかけに人生は簡単にふりだしに戻った。

秋彦の部屋を飛び出してからは、当てもなく夜の街をさまよう日々。

テキトーな男を引っ掛けては、ホテル代や食事代をおごらせていたが、どうせなら仕事にしてしまった方がいいと雪矢は復帰を決めた。

「スイートとか、マジかよ…」

客が待つ部屋は最上階のスイートルームだった。

男娼のためにこんな部屋を予約するなんて、一体どんなスキモノなのか…。

雪矢は強要されそうなプレイを一通り頭に浮かべてから、部屋の扉をノックした。

「はい」

中から想像よりも若い男の声がして雪矢は驚いた。

すぐに部屋の扉が開いた。

「本日はご予約ありがとうございま…す…」

スイートルームから顔を出した男を見て、雪矢は声を失った。

それは半年前に別れた元恋人の秋彦だった。

*****

「どういうつもりだよ」

雪矢はクイーンサイズの豪華なベッドにドカッと腰掛けると、秋彦をにらみつけた

「雪矢、元気そうでよかった」

久しぶりに見る秋彦は、少しやつれていた。

目の下にはうっすらクマができ、唇には乾燥して割れた跡がある。

それでもスーツ姿の秋彦は、まるで高級ブランドのショーウィンドウから出てきたかのように相変わらず美しかった。

「あんたこそ、元気そうじゃないか。社長令嬢との縁談も順調ってわけか」

雪矢は目一杯の嫌味を込めて言った。

「雪矢、その話については一度説明させてくれ…」

そこまで言いかけた秋彦の腕を、雪矢が思いっきり引いた。

「あぶなっ…お、おいっ…雪矢!」

雪矢はすばやく馬乗りになると、秋彦のベルトに手をかけた。

「今日は男娼としてここに来てんだ。さっさと仕事させてくれよ」

あっという間に下着を下ろすと、秋彦のペニスに触れた。

「あれ?全然勃ってないじゃん。俺と別れたショックでインポになっちゃった?」

下を向いたままの亀頭をつまむと、秋彦を見下ろして笑った。

「やめろ…っ。今日はそんなつもりでお前を呼んだんじゃない」

「どんなつもりでもいいさ。すぐにビンビンにさせてやるよ…」

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