突然兄が押しかけてきたのだが…
海外出向に行っていた兄からメールが来てその数日後に俺の前に現れた。兄は俺に「好きだ」と言ってきて混乱した俺をホテルに連れて行って人様には言えないようなことを流されるままにされてしまう。兄はいったい何を考えているんだろうか。
俺、晴也には3つ年上の健太という兄がいる。
聡明でスポーツ万能、ややブラコン気味の兄が、俺にとっての憧れであり、目標だった。
そんな兄のようになりたいと思いつつも、俺には何もなかった。
運動神経は壊滅的だし、勉強も苦手だ。
俺はいつも兄と比べられ、劣等感を抱いていた。
だからなのだろう。俺がこんなことを始めたのは…。
それが原因で俺は兄に対してそっけなくなった。しかし、それでも兄は優しかった。それが俺のプライドを傷つける。いつからか、兄と会話することもなくなり、高校進学を機に家を出た。
それからは1度も実家には帰ってはいない。
兄は海外出向とかで遠いところにいるのが今は安心している。
それなのに兄からのメールを受信する。
5年以上は音沙汰なかったというのにいったいなんだというのか。俺はそのメールを無視した。しかし、そのメールは「会おう」というものだったらしい。
その数日後に兄は本当に俺に会いに来たんだ。
そして頭の痛くなることを1言。
「俺、昔から晴也が好きなんだ。もちろん恋愛的な意味で」
そんな爆弾を落とされ混乱している俺の手を引きホテルへ入った。
展開の速さに俺が呆けている間にシャワーを浴びてきた兄。兄は俺の様子を見てさっさと服を脱いだ。
「…ちょ、ちょっと待ってよ!」
「ん?どうした?」
「どうしたじゃない!なんでいきなり脱いでんだよ!?」
「そりゃあこれからやることやるからだろ?」
「そうじゃなくて!そもそも男同士でなんて無理だよ!!」
「大丈夫だって。ほらこっち来いよ」
ベッドの上に座った兄は自分の隣を叩きここにこいと言っているようだ。俺はそれに抵抗したが結局負けて兄の隣に座ってしまった。するとそのまま押し倒されてしまいキスされた。
初めてのことに驚き固まっていた俺だったがすぐに我に返ると兄の肩を押した。
「何すんだよ!?」
「何ってキスだけど?」
「そういうことを聞いてんじゃねぇよ!!なんでこんなことするんだよ!?」
最近のコメント