ストーカーの僕 (Page 2)
「…っ!!」
耳元で囁かれればビクリと体が震えた。吐息がくすぐったくてゾクゾクしてしまう。
このままではどうにかなりそうだ。
これ以上ここにいては危険だと思い逃げようとするが、腕を掴まれてしまい動けなくなる。
「あっ…」
「待ってくれ。逃げることないだろう?」
「うぅ…」
泣きそうになるのを堪えながら必死に抵抗する。だけど力の差がありすぎて振りほどくことが出来ない。
「離してくださぃ…」
涙目になりながら訴えると彼は悲しげな表情をした。そして、ぽつりと言う。
「泣くなって…。わかったからさ」
彼はあっさりと手を離してくれた。ほっとして安堵していると今度は頭を撫でられる。
「よしよし…」優しく髪を撫でられ気持ちよくなってきた僕はそのまま目を閉じた。もっとして欲しいと思っているとふわりといい香りが鼻腔をくすぐる。
香水かなにかを付けているんだろうか?とても心地の良い匂いだ。いつまでも嗅いでいたくなるような…。
「あの…羽田さん?」
「なあ、ホテル行かないか。」
「!!」
あまりの衝撃にクラッとめまいがする。
「驚くことはないだろう。君は俺のことが好きでずっと見ていたんだろう。」
「そ、それは」
そこまでバレているなんて1種の恐怖に近い何かを感じる。
「君にとっても悪い話ではないはずだ。」
耳元で呟かれ、僕は無意識にうなずいた。
*****
部屋に入るとすぐにキスをされた。何度も角度を変えて唇を重ねてくる彼にドキドキしながら応える。
「んっ…ちゅっ…ぁむっ」
舌を入れられて絡め取られる度にぴちゃりと音がした。それがすごくいやらしく感じて恥ずかしい。
「ぷはぁ…」
ようやく解放され呼吸を整える。
「大丈夫かい?」
心配そうに見つめる彼にこくりと小さく首肯すると、彼は安心したように微笑んでくれた。
「よかった…」
彼は僕の体をぎゅっと抱きしめてきた。温かくて大きな体に包み込まれ、幸せな気分になる。
「羽田さん…」
彼の背中に手を回わす。すると羽田さんは、僕の肩を掴みベッドに押し倒した。
「和人…」
熱っぽい瞳で見つめられ心臓が激しく脈打つ。羽田さんの顔が近付いてきて再び口づけをされる。
「んっ…ちゅぱっ…」
先程よりも激しく口内を犯されていく。歯茎の裏をなぞるように舐められたり、上顎や下顎をゆっくりと擦られたりするたびに体がびくりと反応してしまい、力が抜けていく。
「はぁ…はぁ…」
激しい口付けによって酸素不足に陥り頭がボーっとしてきた頃になってようやく解放された。名残惜しいと思いつつも荒くなった息を整えながら彼を見上げる。すると、いつの間に脱いだのかスーツの上着を脱いでネクタイを緩めた彼が覆いかぶさってきた。
「可愛いね…」
「そんなことは…」
恥ずかしくて顔を逸らすと頬に手を当てられ正面に向けられてしまった。そして、また口付けられる。
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