裏切り行為 (Page 3)
塩気のある指を舐め取り、自分の不味い精液を飲み込む。
唾液と精液でねばつく口の中を、悠馬の指が動き回ってそれに舌を絡ませた。
「あふ、んんっ…はふ」
「可愛いよ、アイラ」
「あう…んんぅ」
上あごをなぞりながら口の中から指が出ていく。
それからはもういつも通りだ。
「ああっ、ああ、あっ、ああああっ!」
悠馬の肉棒が俺の中に入り、奥深くを抉る。
乱暴な悠馬とのセックス。
「ひぃ…やっ…そ、そこやっ…やあっ!」
「イイ声」
「ひう、おれ、いま…いって、いってう…!」
「知ってるっつうの。ビクビクしてんだから、な!」
バチュンッと大きな音がたつくらい、悠馬は勢いよく腰を打ち付けた。
脳内に星が散り、息すらも詰まる。
横暴で俺様で自己中心的な悠馬とのセックスは、俺の気持ちなんか関係ない。
恋人になって三年。
三年間、俺はこの部屋に閉じ込められて毎日のように悠馬とセックスをした。
教え込まれた悠馬の形と味、それから身体を重ねる快楽。
何度『許して』と言っても、何度『嫌だ』といっても悠馬は俺を抱き続ける。
「うぅ…やっ、あああっ、あんっ」
「アイラは俺だけのものだ」
「んっあ…、ゆ、…ぅま…?」
悠馬は俺の首に手を触れて、喉元にキスを落とす。
ジュッと吸い付くと、同じ場所にもう一度吸い付いた。
「あ…あ、ゆぅま…」
悠馬は口元に笑みを浮かべて、俺の頬を大きな手のひらで撫でた。
「アイラ、愛してる」
「ぁ…」
「二度と外に出さねぇから」
「ッ…!」
たったその一言で『外に出してもらった』ことを理解した。
よく考えれば当然のことだ。
三年も出られなかったのに、カギのかけ忘れとかありえない。
間違えたのは俺の方だ。
ちゃんと帰っていればこんなことにならなかったかもしれないのに。
悠馬が俺を外に出してくれたのに、俺は『逃げ出せた』って満足して帰らなかった。
俺が悠馬を裏切った。
「ゆぅ、ま…」
「んー?」
「俺が悪かった、だから…もう一度…ッ」
悠馬の冷たい瞳を向けられて、首を持ち上げられるとひんやりとした感触がやってきた。
嫌な予感がしてももう遅い。
──ガチャンッ。
その音が響いたのと同時に、俺の目じりから涙が零れた。
「アイラ、ずーっと一緒にいような」
もう、逃げられない。
Fin.
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