最愛の恋人の胸でみる甘く淫らな刹那の夢 (Page 2)
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涼真さんと最後に会ってから13日目。
2週間くらい平気だと思ったが、こんなに長く感じたのは初めてだった。
明日やっと会える。
指折り数えていた日を待ち望みながら就寝準備をしていると、電話が光を放って振動を始めた。
小型ディスプレイの“日野涼真さん”の文字を見た僕は、すぐさま画面をタッチして応答した。
「…もしもし」
「久しぶり。元気? 浮気とかしてない?」
スピーカーを当てれば愛しい人の声が鼓膜を振動させる。
「何の用、こんな遅い時間に。僕、眠たいんだけど」
「うわっ、スルーされた。そういう冷たいところも好きだけど」
「で、本当にどうしたの?」
「いや、残念なお知らせがあって」
「残念なお知らせ?」
無意識に眉間へ力を入れていると涼真さんが続けた。
「こっちに居る予定が長引いて、明日帰れそうにないんだ」
その言葉に僕の気持ちは急降下した。
「…そう」
「本当にゴメン!」
「わかった、体調気を付けて」
続けていると、よからぬ言葉を溢しそうで素っ気なく返事をして通話を切断した。
「…延びるのか」
寂しさや虚しさをかき消すよう、ベッドへ体を預けて眠りにつこうとした。
タイトなスケジュールを1週間こなした今日。
体はクタクタなのに視界が閉ざされる気配はなかった。
仕事が長引いたのだろうか?
それとも…奥さんと子供との別れが惜しくなったのだろうか?
一度考えたら、連鎖のように最悪な理由も浮かんでループする。
家族との関係が戻って別れを切り出されたら、彼が与えてくれる快楽も味わえなくなる。
硬く太く膨張した彼の欲望。
ねっとりと熱い精液。
彼の唇から吐き出される乱れた呼気。
脳内に焼き付く、涼真さんとの淫靡な時間が再び僕の体を火照らせた。
ゴソゴソと、スウェットと下着をまさぐって直に性器へ触れた。
「はぁっ」
肉はすでに緩やかな芯や温もりを含み、掌の僅かな凹凸にすら反応を示した。
興奮し始めたら収まるはずもなく、より強い快感を求めて手を動かした。
「ッ…はっ…んっ」
ピンっと張るように薄い皮膚を上下に動かせば、微弱の電気が流されたように体がビリビリと鈍く痺れた。
涼真さんと2週間セックスしなかっただけなのに、込み上げる情欲でパンクしそうだった。
「ふっ…あっ」
『ここが好きなの?』
行為のときの涼真さんの言葉や声を思い出しながら、手探りで彼の示す場所を触る。
包皮を突き破った亀頭部と陰茎との境目に指の腹を擦り付けて強く触ったり。
優しく撫でるように触ったり。
涼真さんの手の動きを真似れば、硬い先端から先走りがとろりと滴っていた。
『もう濡れてる…たまってた?』
条件反射のように脳内で再生される声を聞きながら、鈴口の周辺を親指で撫でて液体を拭う。
「うあぁっ…!」
さっきと比較にならない強烈な痺れが全身を巡り、堪らず声を上げてしまった。
『苦しいよね。オレが楽にしてあげる』
ドクドクと脈打つ怒張を強く握って掌を上下に動かした。
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