外で初めてを奪いました
ヤンキー風の格好をしているサボり魔だが頭のいい慶臣と、真面目な純也。いつものように校舎裏でサボっている慶臣のところに行く純也。そして、強引にキスをしてくる慶臣に腹が立ち、純也は慶臣を押し倒す。
大学の入学式、新入生代表で挨拶したのは俺だけではなかった。
「新入生代表、井上純也、佐伯慶臣(よしおみ)」
俺が初めて慶臣と顔を合わせたのは、このときが初めてだった。
俺と同じ首席で合格したその男は、入学式では普通の格好をしていたが、次の日に顔をあわせると、金髪にピアスという格好になっていた。
「俺さ、お前みたいな真面目君じゃないんだよねぇ~だけどさ、お前の顔は好みなんだ。確か純也だったよね?狙っていい?」
「佐伯、俺は男だぞ?からかうのはやめてくれ」
「大丈夫。俺、男も女も好きだから。だからマーキングしとこ!」
そういって、俺の頬にキスをしてきた。しかも、キャンパスの中で堂々とだ。
そして、俺はその日を境に慶臣と付き合っている首席カップルとして見られるようになった。
*****
その事件から2年後、俺たちは本当に恋人になっていた。
「おい、慶臣!また授業をさぼっただろ!単位落とされるぞ!」
「大丈夫だ。あの教授のテスト傾向はわかっているから出ても無駄だ。それより、純也こっちに来いよ」
しぶしぶ俺は慶臣の横に座った。さぼるときはいつも慶臣は校舎裏の階段で昼寝をしている。
「教授はお前の実力は買ってるんだ。それに、もうそろそろ卒業論文とかに取り掛からないとやばいぞ?」
「あぁ、就活もしないといけないしな」
「慶臣はどこに就職するつもりだ?」
「自衛隊の化学班」
また、難しいところに就職希望をしていると思った。本当にできるのかと心配していると慶臣は、俺の心を読んだかのように話を続けた。
「俺の今回の論文、これがさ、結構評価がいいんだよね~その論文が自衛隊の目にも入ったみたいなんだ」
しっかりと就職先も見つけてやがる。本当に抜かりがない。
「純也はどうなんだ?就活はうまくいきそうなのか?」
「当たり前だろ?俺を誰だと思っているんだ?俺は、お前みたいにサボり魔じゃないんだからな」
「じゃあ、落とす単位もないよな?」
慶臣はそういうと、俺を引き寄せキスをしてきた。
「んんっ…!!ここ学校だぞ!!」
俺は、慶臣から離れようとするが肩まで引き寄せられているので離れることができない。
「そういう真面目なところ、俺は好きだぜ?」
「…俺が、いつまでもおとなしくしていると思うなよ…」
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