閃光の誘惑 (Page 2)
「えっ!?やっやだ!助けっ…」
一気に視界が闇となり、ミズタニの泣きそうな声だけが耳に届く。
イナセはその声にハッとしてその場にしゃがみ込んだ。
「ミズタニ、あの…大丈夫、か?」
暗闇の中、手探りで伸ばした指先が細い髪の毛に触れる。その瞬間、ガシッと強く手を握られた。
「あ…イナ、セ…」
震えたミズタニの声からは、普段のクールな表情は微塵(みじん)も感じられず、イナセは本当にコイツはミズタニなのか?と疑問すら抱いていた。
と、ピカッと闇の中で白い光が走った。直後に、空気を揺らすような激しい雷鳴。
「ひぁっ…ああっ!!」
その悲鳴とともに、今度はイナセの体にミズタニがしがみついてきた。
「ちょ…落ち着けって、大丈夫だから」
とっさに抱きとめたミズタニの体は小刻みに震えていて、引きはがす気にはなれなかった。
スマホを照明代わりにしようと思いたつも、肝心の機器はデスクの上、立ちあがろうにも震えるミズタニにしがみつかれている状況では厳しそうだ。
とりあえずミズタニを落ち着かそうと、イナセは彼の背をゆっくりとさすってやる。
「ミズタニ、立てるか?」
優しく声をかけたら、またしても閃光。イナセのシャツを掴んでいるミズタニの手の力が強くなった。
ゴロゴロゴロゴロッドォン!!
「うわあああっ!!」
ギュウギュウと埋もれるんじゃないかというぐらいミズタニが身体を押しつけてくるので、堪らずイナセは床にボスンと尻もちをついていた。
暗闇の中で聞こえてくる、呼吸を乱したミズタニのハァハァという息遣いがやけに艶っぽく思えて、イナセはゴクリと生唾を飲み込んだ。
閃光の誘惑
話の展開が不自然ですけど、コメディ?ドタバタBLなのか
もう少し二人の関係、エピソードが欲しかったかも、エロよりも
コロコロ さん 2021年4月4日