閃光の誘惑 (Page 4)
「あ…の、イナセ」
ためらうようにミズタニはイナセの名を呼ぶと
「わびはする、から…雷が、落ち着くまでは、ここに一緒にいてくれない、か…」
「ここに…?」
「さっき…イナセがキスをしてきたとき、少し気が紛れた。だから…」
そこでミズタニは言葉をとめた。
だから、なんだ。
ここに一緒にいてとは?
そこからさきを想像すると、頭の中がグシャグシャと混乱してくる。
ああもういっそ、すべて雷のせいにしてしまえば…
ピカッとまばゆい閃光。雷鳴が届く前にイナセはミズタニの耳に舌を差しこんだ。
「あっん…」
ゴロロ…と響く音が聞こえているのかいないのか、ミズタニの口から出たのは、艶っぽい声だった。
耳の穴に舌先を埋め、耳たぶを甘噛み、耳の後ろを吸って…とするたびに、ミズタニからあがる声は色気を増していった。
ここまで来たらもうとめるのは無理だといさぎよく諦めて、イナセはミズタニのネクタイをシュルリとゆるめた。
「は…あ、イナセ、な…に」
「雷落ち着くまで一緒にいてほしいんだろ?ならちょっと、つきあってよ」
「え…」
「ってか、雷のことなんか忘れるぐらいに気持ちよくなれば解決じゃない?」
スルスルとネクタイを外して床に放ると、イナセはミズタニのズボンのベルトに手をかけた。
「待っ…」
「いや、無理。なんかエロいんだもん。今のお前」
「や…でも、ヘソ取られちゃうから…」
そのミズタニの言葉に、思わずイナセは吹きだした。クールで冷静、仕事のできる普段のミズタニからは考えられない言葉だ。
キスをされたこともスーツを脱がされかけてることも、ミズタニにとっては雷の恐怖に及ばないらしい。
イナセは体を起こすと、今度はミズタニの下腹部に顔を近づけた。そして、彼のヘソにチュとキスをする。
「これ、おまじない」
「お…おまじない?」
「うん。こうしといたらヘソ、取られないから」
「そ…うか」
ワラにもすがる思いなのか、ミズタニはイナセの言葉を疑う様子すら見せなかった。
閃光の誘惑
話の展開が不自然ですけど、コメディ?ドタバタBLなのか
もう少し二人の関係、エピソードが欲しかったかも、エロよりも
コロコロ さん 2021年4月4日