僕の優しいヤクザ様 (Page 2)
そう聞くと佐山さんはにっこりと笑って、僕のおでこに唇を落とした。
「優しくする」
「ッ…理不尽!」
「ヤクザなんてそんなもんだろ」
それもそうか。
だって僕はこの人の愛人で、僕の生死すら握られている。
生きる理由も、生きる方法も、この人が全部握っている。
僕に選択肢なんてない。
親に売られたあの瞬間に、僕の生き方は決められていたから。
「なにボーッとしてんだよ」
バチュンッと水音がたち、意識が引き寄せられる。
いつの間にか挿入された太くて熱いソレに身体が震えた。
「あっ、ああっ」
彼のペニスが僕のいいところを的確につく。
「てめぇは俺に愛されてりゃいいんだよ」
「そ、んなの…わかって、るっけど…!」
ムキになってアナルを絞めると、中の肉棒がビクッと反応した。
射精までは至らせられなかったけど、効果はあったようで彼の眉間にしわが寄る。
その表情に笑みを浮かべると、佐山さんは僕の頬を親指で撫でた。
「てめぇだけだよ、俺に逆らうのはよぉ」
「そういうところも気に入ってるでしょ」
「あぁ、そうだよ。すげえ気に入ってるから、今日はすげぇ優しくしてやる」
「え…、や、め…ッ」
チュクチュクと可愛い音をたてるように腰が揺れる。
起き上がろうとしても胸元を押し返されて、優しく胸の尖りを摘ままれ、指先で肌を撫でられる。
「うぅ…もう、これ、やだってば…!」
「てめぇを酷く抱いたって褒美でしかねえだろうが」
「だからって、ここは普通は…ッ」
「普通が通用しねえのがヤクザだろ?」
なんでもかんでも『ヤクザ』を理由にされる。
そもそもヤクザは優しくなんかしない。
自分の思うままに抱いて、人をオモチャみたいに扱って酷く抱くのが彼らだ。
商品だったころは、実際にそうだったし。
「前は佐山さんも酷くしてたのに…!」
「そんときと今は違うだろ」
「なんでっ!」
涙目で訴えると、佐山さんは腰の動きを止めた。
覆いかぶさると頭の横に腕をつく。
お互いの鼻が触れそうな距離で彼は愛を囁いた。
「姫を愛してっからだよ」
「その『姫』呼びとか意味不明だし!」
「あ? てめぇが本名は嫌だっつったんだろうが」
「だからって…」
「もういいから黙れ」
その瞬間、中からペニスが抜き取られて太ももが持ち上げられた。
ピトッと入口に付けられた先端に期待に腰がうずく。
ようやく酷くしてもらえる。
煽り続けてよかった。
浴衣を握って、まぶたをぎゅっと閉じて待つ。
だけど期待する快感はやってこない。
なかなか挿入されないペニスに、そっとまぶたをあげるとニヤリと笑う顔が間近にある。
「ふぇ…?」
「んー?」
「うっ…ひ、ひどいっ! 最低だ、バカ!」
わかっててしないとか最低すぎる。
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