僕の優しいヤクザ様 (Page 3)
恥ずかしさに顔を両腕で隠すと、佐山さんが僕の身体を抱きしめた。
ゆっくりと僕の中に入ってくるペニスに『またか』と肩を落とす。
「うぅ…もう、やだよ…」
「俺は酷くて最低でバカなんだろ?」
「そういうわけじゃっ…!」
──バチュンッ…
「ひ、や、あ…う、ふぇ…?」
脳内にチカチカと星が散る。
突然にお腹を圧迫され、口の端からよだれが流れた。
「ほら息しろ」
頬をたたかれる感触に視線を動かす。
自分を見下ろす憎たらしい笑顔、中を圧迫する男のソレに涙が溢れた。
ようやく、ようやくしてもらえる。
愛されるような抱かれ方よりも、酷く乱暴に抱いてもらえたほうが楽でいい。
だってそうじゃないと本当に『愛されてる』って勘違いをするから。
僕を愛していたはずの親が僕を捨てた。
親を愛していた僕は裏切られて捨てられた。
『愛人』として迎えられても、都合のいい性欲処理でいたい。
佐山さんにも都合のいい相手として思われたい。
なのに、
「酷くなんかしねえよ」
「え…?」
佐山さんは僕の太ももを押し返して、深く深く僕の中に侵入してくる。
結腸を責められ、ムズムズとするような変な感覚が押し寄せて来た。
「あ、ああっ、あん」
ピュッピュッと飛ぶように僕のペニスから精液がとめどなく溢れる。
つま先が畳につくくらい押し返されて苦しいのに、奥深くまで入れられて苦しいはずなのに気持ちよすぎてたまらない。
「あぅ、あっ、あ、あ…ああっ」
「気持ちいいか?」
「うっ、ん…きも、ち」
「まだこんなんじゃねえよ」
「ふぇ…? う、ああっ!」
勢いよく腰を打ち付けられる。
ジーンッ…奥が響き、一瞬意識が飛んだ。
ぼーっとする意識の中、止まることなく同じ快楽を与えられる。
強く速く、グチュグチュと音をたてて深く突かれた。
酷く抱かれてるはずなのに、好きなように抱かせているはずなのに、愛されてるという感覚が消えない。
「んんっ、やら、も…やらああっ」
イキっぱなしなんて初めてで、震える手で佐山さんに手を伸ばす。
「これ、ちがぅ。もう、やめ…て」
「そりゃ、違うだろう、な」
「ふぇ…?」
佐山さんは僕の手を握って、畳の上に押し付けた。
「激しくしているだけだからな」
触れるだけのキスをしながら、ゆさゆさと腰を揺らす。
奥深くで揺られるだけで気持ちよくて、キスをする唇から逃げて声を零した。
「ぁう、やら、うぅ…きもち、あん、ぁあ!」
つながる両方の手。
本当の愛人のように、佐山さんと身体も心もつながっている。
そんな気がした。
Fin.
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