一夜の戯れ (Page 2)

連れてこられたのは古びた寺だった。秋の夜は少し肌寒く、火照った体に心地いい。

「主様、今宵の陰間を連れてきました」

茂みの中に連れてこられた先に、男性の姿があった。

月夜に照らされているその男は、俺でも知っている。名門の板倉家の御曹司だった。

「輝久(てるひさ)様、今宵の陰間を連れてきました」

「ご苦労…今宵の陰間は美しいな」

俺の身長より高く、切れ長な目で、薄い唇、髪を上でまとめうしろに垂らしている姿は、男ながらにかたずを飲む美しさだった。

「そなたの名は?」

「…っ奏と申しますっ…」

「じいよ…お前はもうさがれ…」

「わかりました…」

じいと呼ばれたご主人様が去っていった。

「さて、じいに媚薬を持たせたが、どのようになっているかな?」

輝久様はそういうと、俺の首元をゆっくりとなでる。

「んんっっ!」

「いい反応だ…奏…今宵は楽しませてくれ…」

輝久様は、俺のうしろにまわり、うなじに口づけをしてきた。敏感になった俺の肌には、これだけでも感じてしまう。

「ふぁっ!!んんんっ!!」

俺の声をよそに、輝久様は耳や背中を愛撫していく。

「てるっ…っ…ひさっ…さんっ…まっ…んっ…やぁぁんっ…」

着物が乱れ、冷たい外の風が火照った体をまた刺激する。

「ここに手をつきなさい」

大きめの木に俺の手をつかせ、輝久様は俺の胸の突起を優しく、しかし、じらしながら愛撫していく。

「ふぁっ…んふっ…んやっ…」

「気持ちよくないのかい?その割にはいい声を奏でるではないか」

「輝久様っ…もっと…してくださいませっ…」

媚薬の影響と、輝久様のじらすような愛撫により、俺は自分からねだってしまった。陰間はこういうことも訓練されているのだが、この人は本当にうまい。

「陰間がおねだりなんてしてもいいのかね?」

輝久様は、少し意地悪な感じで俺に聞いてきた。

「輝久様のっ…愛撫がっ…んふっ…気持ちいいからですっ…」

こういうときは、意地を張らずに本当のことをいうほうが喜ばれることも、陰間として知っている。

「さて、こちらのほうはどうなっているかな?こちらのほうはさびしかろう?」

輝久様は、そういうと、俺の蜜穴に指を這わせる。

俺の蜜穴は、媚薬を塗られたせいもあり、ぐしょぐしょに濡れていた。

「こんなに濡れていて…さぞ辛かったであろうに…」

輝久様は楽しそうに話した。

「…んっ…はいっ…体が火照って辛いですっ…」

「奏…それで、そなたは、俺にどうしてほしいんだ?」

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