失恋して実る恋もある (Page 3)
そして間もなく、ぱちゅん…と音をたてて俺と志貴の肌がぶつかりあう。
「はぁん…んぁ、はぁ、ん…」
「先輩、全部入りましたけど…大丈夫ですか?」
「ん…へい、き」
「ならよかったです。でも先輩の中、さすが…ですね」
「へ…? なにが?」
なじませるようにゆさゆさと志貴は腰を振りながら、汗の滴る前髪をかきあげた。
「中が俺のに絡みついてきて、さすが男を喜ばせる方法を知ってるなって」
「は…? 俺、こっちは初めてだけど…」
「……、え?」
それは束の間の静寂。
志貴はパチパチと瞬きをしながら俺を見下ろす。
何を不思議がることがあるのだろうか。
長年、好きな人がいたんだからこっちを使うわけがない。
何度か女性とは付き合って、童貞は卒業しているけど…。
「…えっと、志貴? まさか俺のこと『ヤリまくりのビッチ』とか…思ってないよね?」
「……」
「志貴?」
「思ってません」
「絶対に思ってただろ!」
ぎゅーっとアナルを締め付けると、志貴は辛そうな表情で『待った』をかけた。
後輩にそんなことを思われていたとかショックでしかないんだけど。
「志貴こそ好きな人がいたくせに童貞じゃねえだろ。お前こそ淫乱じゃねえか」
「…俺の場合、振り向いてもらえる見込みがなかったんで」
「はあ? 思ってればいつかは…」
「振り向いてもらえるのを待って、待って、結婚されたあんたにだけは言われたくない」
「うっ…。ってか性格、変わってね…?」
むっと志貴の眉にしわが寄る。なぜか機嫌が悪い。
理由はわからないが、機嫌を損ねる志貴が可愛くて見えてその頭を撫でた。
「俺が初めてじゃなくてショックだったか? 一夜限りなのに処女を奪わせて悪かったなぁ」
「…そんなんじゃないし」
「じゃあなんで…んあっ」
急に腰を動かされたせいで高音の甘い声が出る。
志貴は顔を真っ赤にして、俺の両手をベッドに縫い付けながら指を絡ませた。
「志貴…?」
前後に腰が動き、パチュパチュといやらしい水音が響く。
お互いの呼吸もだんだん速くなり、俺の頭は快楽で真っ白になっていった。
「あっ、あっあっ」
「あんただって初めてじゃないでしょ。こんだけ気持ちよくなっててさぁ」
「初めてだって、あぅ、ああっ」
「嘘つき。学校で見たことあったんですよ。教授と密会してただろ!」
勢いよく奥を突かれ、グチュンッ…と大きな音がたつ。
「ああっ、あんっ、あ、あふ…ん」
チカチカ…と星が散る。絶頂を迎えた身体がガクガクと震えた。
全身が脈打つようにバクバクと鳴って、呼吸をゆっくりと整える。
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