愛はいつも突然に (Page 4)

「…っ…やば…っ」
「もっと…っ、奥…っ」
「どんだけ…欲しがりなんすか…ッ」
「だってぇ…っ…あぁ…ッ！」

男とするのは初めて。
それなのに、俺の中の違和感は驚くほど消えてしまっていた。

先輩の中は熱くて、やわらかくて、気持ちよくて。
正直今までのセックスはなんだったんだって思うほど。

細い腰をつかんで奥を突きあげれば、白い喉が反らされる。
二人の間で揺れるモノからは、もうすでに先走りの液が漏れていた。

いつも口が悪くて、俺のことを叱ってばかりの先輩。
その人が、俺の前でこんなにも乱れて、よがっている。

背筋が震えるほどの優越感に、俺の興奮は加速していく。

腰を揺らすたびに、内壁がうねる。俺のモノを、奥へ奥へと誘っていく。
心地いい締め付けに、気を抜いたら魂まで持っていかれそうだ。

「…っ…先輩…の中…っ…すごい…めっちゃ…うねってる…っ」
「だって…ぇ…っ…気持ちよくて…ぇ…っ」

あどけなく開かれた口元からは、赤い舌がちらちらと見えている。
物欲しそうに揺れているそれに吸い付いたら、先輩の体がびくびくと波打った。

「ふぅ…っ…んん…っ！」
「は…ぁ…」

その瞬間、俺の腹筋あたりに白濁が飛び散った。
先輩の顔は真っ赤に染まっていて、そこを見なくても、何が起きたのかは明白だった。

「…キスで…イったんですか？」
「うるさ…い…っ」

恥ずかしさで震える先輩。その姿に、心臓を鷲（わし）づかみにされた気がした。
かろうじてつながっていた理性の糸も、そのおかげでぷつりと切れてしまった。

「待って…っ、まだ…イったばっかり…っ」
「ごめん、待てない」
「や、ダメ…ぇ…っ…！」

まだ快感に震えているその体を抱き寄せて、自分の上に跨らせる。
より深い結合に、先輩の体が大きくのけ反った。

下から突き上げれば、耐え切れなくなった先輩の体が倒れ込んでくる。
ぴたりと密着した体を抱えながら、俺は中の性感帯めがけて激しく腰を振った。

「だめ、また…っ…イっちゃ、イっちゃうから…ぁ…あッ！」
「俺も…っ…中に出します……っ」
「んん…ッ…出して、出してぇ…ッ！」

二人の声が重なった瞬間、俺は先輩の中に欲望を打ち付けた。
今度は先輩のモノから、白濁が流れることはない。

それでも波のようにうごめく内壁を感じながら、彼が確かに“イった”のだとわかった。

「…先輩」
「まって、もう少し…」

動こうとすると、先輩が俺の体にしがみついた。
甘えん坊の子どもみたい。不思議と、愛おしいと思ってしまった。

「…白井」
「はい、先輩」

いつもは口うるさい、先輩。
その姿からは、想像もできない表情に思わず口元がゆるむ。

「もう少し、このまま…」

そう言って、先輩は眠りについた。
今日が休みの日で、本当によかった。そんなことを思いながら、俺は先輩の髪の毛を撫でる。

窓の外には、桜が咲いていた。

Fin.