愛はいつも突然に

・作

社会人3年目の白井。酔いつぶれた歓送迎会の翌朝、隣を見ると3つ上の先輩、織辺が寝ていて…?!最後までしてしまったのかと焦る白井だったが、先輩の口から聞かされたのは衝撃の事実。そして、先輩からの思いもよらないお願いをされ…?!

人生は、時として思いがけないことが起きる。
そう思い知らされたのは、歓送迎会の翌朝。

鈍痛のする頭を押さえながら横を見ると、先輩が裸で寝ていた。

こんなこと、女の子相手でもしたことなかったのに。
まさか、なんで。

そんなことが頭の中をぐるぐると駆け巡る。
一応布団の下を確認すると、案の定下着はつけていない。

先輩の首元あたりには、赤い痕がいくつもついている。
まさか、自分が。

そんなことを考えていると、先輩がゆっくりと瞳を開けた。

「…そんなに顔覗かれても、困るんだけど」
「す、すみません!」

目と目が合って、思わず後ずさりした。
体を起こした先輩が、大きく伸びをする。

「その感じを見ると…さては覚えてないだろ」
「…えっと…」
「ひどい、初めてだったのに」
「は…っ?!」
「うそだよ、冗談」

冗談なのもいろいろと問題だけれども。
そんなことを考えたけれど、今はそんなことを聞いている場合ではない。

「えっと…いや…」
「何?どっから聞きたいの?」
「…最初から、お願いします」

一瞬、先輩の表情が曇る。
小さくため息をついて、俺の肩を押す。

「じゃあ、最初から教えてやるよ」

機嫌の悪そうな先輩から、俺は事のあらましを聞くことになった。

昨日の夜行われた歓送迎会。
酒に弱いとわかっているにもかかわらず、テンションの上がった俺はリミッターを超えて酒を飲んでいた。

べろべろに酔いつぶれた俺を介抱してくれたのは、先輩。
そして家まで送り届けたところ、そのまま押し倒されたとのこと。

「…俺、ただの変態じゃないですか」
「そうだね、人のこと突然襲うし」
「いや、そこはフォローして!」

頭を抱えてうなだれた俺の背中を、先輩がとんとんと叩いた。

「大丈夫だよ、最後まではヤってないから」
「…は?」
「入れる直前、誰かさんが寝ちゃったからね」

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