箱庭へ続くキミの幸せ (Page 4)
「カナ、言って」
耳元でささやかれ、後頭部を優しく撫でられる。
昔から隆紘のこの声としぐさには弱くて、隠し事という隠し事ができない。
それは今も同じことで…。
「…姉貴の子ども」
「旦那さんは?」
「姉さんが身ごもってることを知る前に、旦那さんも事故で亡くなってて…」
「そう、か…。確か、お姉さんは身体が弱かったもんね。カナを迎えに行ったらお姉さんが亡くなったって知らされて驚いたよ」
「…うん。だから俺が引き取った」
「子どもは親戚が引き取ったって言ってたけど、カナのことだったのか。それで行方不明になるなんて…」
「ごめん」
隆紘の胸を押し返すように離れると、熱くなった目頭をおさえた。
このままだと泣いてしまいそうだ。
そもそも隆紘とは終わったことで、紘夏もいるからもとの関係に戻る気もない。
「玄関まで見送るから、紘夏が風呂に入ってるうちに…」
「帰らないよ」
「え?──うわっ」
肩を押され、ダンッと背中を壁にぶつける。
「いったい…んん」
あごをつかまれ、唇がふさがれる。
久しぶりにする隆紘とのキス。
唇が舌で割られ、ぬるりとした熱いものが口内に侵入する。
歯列をなぞり、舌を絡めとられると隆紘の口内に引っ張られた。
「んぁ…んんう」
唇が離れても、舌は吸われたまま隆紘とつながっていて、目を開けると隆紘の熱い視線とぶつかった。
目が合うだけで恥ずかしくなり、視線を逸らせばまた唇が深くつながった。
ピチャピチャといういやらしい水音が静かなリビングに響き、ピクピクと身体が跳ねる。
「ふぅ…あぅ、ひあ」
抵抗もままならず、巧みな舌使いに翻弄されて下半身がムズムズと期待にうずく。
隆紘にバレないようにと腰をそっと引くと、なにかを悟った隆紘が自身のそれを押し付けてきた。
「んんっ…!」
固くなっているズボンの下の存在を、グリグリと押し付けられて必死に抵抗をする。
隆紘の胸元を、抵抗のために叩いていた手があっけなく掴まれ、今度は壁に押し付けられた。
抵抗もむなしく快楽に身を委ねていると、遠くでガチャ…と洗面所のドアが開く音がした。
「ッ…たかっんん!」
紘夏が来る。
なのに、隆紘は離してくれず唇をむさぼった。
見られたくないのに力じゃ敵わず、『来ないで』と祈っても小さな足音が近づく。
その間も、下半身をグリグリと押し付けられ、恥ずかしさと気持ちよさにあらがえない。
「んんんっ…!」
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