それぞれの過去 (Page 2)
「うあっ」
「皮剥けてるんだね。おっきいし、女の子にモテそう。立派なおちんちん持ってるのに、俺に扱かれる気分はどう?」
屹立の皮が、頂点の丸みを被せたり露出したりして上下した。
「う、や、やめ、なんかヘン……っ」
ぐにぐにと肉の塊を捏ねられる感覚に、気持ち悪いけどぞわぞわとした。腰がジンジン痺れるというか、じくじくと熱が溜まる感じがして頭に霧がかかるようだ。
「これはお仕置きだからね。気持ちよくなるだけじゃダメだよ」
肉棒の付け根、玉袋を撫で、排泄に使う後ろ穴をソワリと撫でられた。
「はあ!? そんなとこ触んじゃねえっ」
「うるさいって言ってるでしょ。キャンキャン吠(ほ)えないでよ」
「いっ……てぇな、握んじゃねえ。お前ほんといい加減にしろよ。さっさと離せよ」
「そんな唸られても、なに言ってるか俺にはわからないんだよなあ」
男はニヤニヤと嫌な笑いを含んでそう言った。しゅ、しゅ、と勃起した肉棒を何度も擦りながら。
棒の先から透明な液体がトロリと垂れた。
「ああ、でもよかった。気持ちいいんだね」
それを指先ですくった男は、さっき触れてきた尻の方の穴をその液体で濡らした。
つぷ、つぷ、と指の先がナカに入ろうとして押し込まれてくる。
「やだ、やだやだ、やめ、」
「指程度で嫌がられたら、本番できないよ」
つぷ、ぬ、ぬ、ぬ、ぐっ──。
「う、っ、……ッ」
「そんなに怖がらないでよ、気持ちいいでしょ?」
気持ちいいわけあるかって言いたいけど、喋る余裕なんてない。
内臓を無理やり押されて、かき回される感覚。これには覚えがあった。これは、小さい頃の記憶だ。
ああ、思い出した。俺は昔──。
「ちょっと……なんで泣いてるの。さすがに萎えちゃうんだけど……」
ちゅぷ、と音をたてて指が体内から退いた。それでもソコにあった異物感は消えなくて、胃から何かがせり上がってくる感覚がした。
「……逃げないでね」
男はそう言って両手の拘束を解いて、のしかかっていた俺の体から降りた。
俺は吐き気を抑えるために口を覆ってうつむくしかできなかった。逃げたかったけど、動ける状態じゃなかった。気持ち悪くて、まるで氷漬けにされたように血の気が引いていた。
「はい、これ飲んで。ただの白湯だよ。何もいれてない。自分で飲める?」
顔を上げると、男は湯気の立つマグカップを手にしていた。
さっきまであんなことしてきた奴の言葉を信用できるわけがない。
「あー……まあ、そうだよね。ごめん」
ソファーの前の机にカップを置いて、男は隣に座った。
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