壊れた二人
ユキは大学卒業と同時に幼馴染の陸斗に監禁された。それは数年たった今でも続いていて、一度も家を出ていない。今では陸斗の帰りを、夕食を用意して待っていた。しかしあることから陸斗を怒らせてしまい──。
男が男を好きになる? 笑わせんな。
「俺が好き? ねぇわ。つーかキモ」
友人に告白された学生時代。
大学生になって可愛い女の子や綺麗な先輩がいんのに、男が男に告ったところで実るはずがない。
例えそれが幼馴染であっても、俺はホモでもバイでもねぇから。
「ユキくん、男はダメなの?」
「あたりめーだろ。つーかお隣さんで保育園の時からの付き合いのあるお前に告られるとか意味不明すぎ」
「そう、かな…。じゃあユキくんは絶対に同性を好きにならないの?」
「なるわけねーだろ」
「そっか」
そしてソイツはいつものように柔らかい表情で俺に笑いかける。
心に閉じ込めたどす黒い色を上手に隠して。
………
きしむベッドの上で俺は息を吐いた。
「ユキくん、きもちい?」
「ッ…ざけん、な!」
「ふざけてないよ」
告白された数か月後の卒業式の日、俺は抵抗する暇もなく襲われた。
お互いに実家住まいだったが親同士が『祝い酒』とか言いながら外に飲みに行き、俺ん家で陸斗と二人で夕食を食べることになった。
数か月前の告白なんて忘れ、風呂を上がれば着替える間もなく陸斗に囚われた。
家も隣同士で、家族づきあいもある友人の男、桜 陸斗。
性格は穏やかで、スポーツ万能、成績優秀、高身長で顔もいい。昔から女は放っておかない。
だからこそ驚いてる。まさかあの告白が本気だったなんて。
「ねぇ、ユキくん。僕の気持ちわかってくれた?」
風呂上りのままベッドに縛り付けられた俺は、体を無理やり開かされた。
手首を縛るひもはほどけず、力でも敵わずに無様に体をさらす。
肌を撫でる指先は優しく、ときに鋭さをもって快楽を与える。
何が楽しいのかぺったんこの胸を撫でまわされ、尖りを引っ張ってはこね回した。
吸われ、舐められ、かじられ、最初こそは何も感じなかった胸はだんだんと感度がよくなり、女でもないのに俺の口からは吐息と甘い声が零れた。
「ユーキーくーん?」
「ぅあ…んっ」
「きもちーの? これ、好き?」
「んんっああっ!」
ジュッと胸の尖りを吸われ、体が跳ね上がる。
浮かんだ腰に陸斗の腕が周り、体を引き寄せられると執拗に胸をいじられた。
陸斗の舌が先端を舐め、唇は水音を立てながら吸い上げる。
唾液が絡み合い、ぴちゃぴちゃといやらしい音を立てながら、陸斗は俺の胸をもてあそんだ。
胸で感じれば感じるほど下半身がうずくのは男の性。
昂る男のソレの先端からは艶が出て、糸を引きながら伝うように流れる。
「り、くと…」
「なぁに? ユキくん」
「ッん、も、やめ、ろ」
「…ああ、ごめんね」
陸斗は胸から口を離し、腰を抱えていた腕を抜いた。
ようやく終わる。そう思った時、
「ひぃっ!? うぅ、な、に…んぁ!」
「ユキくん、暴れちゃダメだよ」
「待て待て待て! 何してんだ! そんっな、とこ…!」
両足をあげられ、腰をわしづかみにされる。
そしてジュルジュルと音をたてながら、陸斗は男の穴を舐めまわした。
信じられない。
でも冗談でできることでもない。
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