心配性な君 (Page 2)
「入れるね」
「うん……あっ、……はやとぉ……!」
ぐっと腰を進めれば、生々しい水音が部屋に響く。新太は耐えるようにぎゅっと目をつぶって、ただそれを受け入れていた。が、ある一点をかすめた途端、彼の呼吸には快楽の色がにじむようになって。そこを集中的に攻め立てれば、呼吸を荒くして甘く喘ぎだす。
「……ッ、あ……んぁっ、だめ……そこ、ばっかり……ッ!」
「ここ好きなくせに」
「わ、かんな……ッ、おかしく、なりそう……ッ!」
嫌々と首を振るくせに、彼の中心は痛々しいくらいに立ち上がっていて。なんだ、気持ちいいんじゃん。俺は笑みを堪えながら徐々に奥へと自身を進めていった。
「全部、入ったよ」
「ほんと……!?」
言えば、彼はほっとため息をついて笑った。
「隼人の、ここまで……ッ、奥まで、きてる……ッ!」
彼は本当に幸せそうに、満ち足りた表情でそう言った。首まで真っ赤に染め呼吸を荒くする彼は本当にセクシーで、思わずごくりと生唾を飲んだ。衝動を抑えるようにゆっくり、ゆっくりと腰を動かせば、彼は足りないと言って俺の腕を掴む。
「ね、もっと……もっと、激しくして……?」
「でも、まだ……」
「大丈夫、ちゃんと準備してきたから。それに」
彼は俺の耳に口を寄せて甘く囁いた。
「もし痛くても、痛いのだって気持ちいいでしょ?」
ああ、こいつには敵わないなと思った。甘い声に、言葉にくらりとする。俺は目の前でいじらしく笑う新太をまっすぐに見つめた。きっと俺も、新太と同じで欲望に満ちた目をしているに違いなかった。
「後悔しても、知らないからな?」
「するわけないじゃん。隼人からもらえるものなら、なんだって嬉しいよ。……っあ……、アッ、まって……!」
彼の返事を聞き終える前に動きだせば、彼はさっきまでの余裕が嘘みたいに声を上げる。
「あっアッ、あ……んんッ、や、……隼人っ、はやとぉ……!」
「……く、新太ッ、新太……!」
「ん、んぅ……ッ、あっアッ、イく……ッ!」
2人で一緒に達したその瞬間、本当に満たされたみたいな気持ちになる。目の前の彼を抱き締めれば、快感の余韻でびくびくと体を震わせていて。なだめるようにぎゅっと抱き寄せると、骨ばった手が背中に回されて控えめに抱き締め返してくれた。身体は汗やら体液やらでべたべただったけれど、それでも不思議と心地がよかった。
「ねぇ隼人」
「うん?」
「ずっと、このままひとつでいられたらいいのにね」
彼の願いを叶えられそうにはないけれど、俺は彼の頭をなでて優しく笑いかけた。
「ずっと、一緒にいるよ」
これで新太の不安をぬぐいきれるかどうかはわからない。けれど、この気持ちに嘘はない。だからどうかこの思いが少しでも伝わればいいなと思った。
Fin.
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