アルファの俺はオメガな君を守りたい

・作

小さいころにした約束。それは、幼馴染みを独占したという小さな優越感。紫からヒートが近いから施設に入る前に飲みたいと言われ、宅飲みすることになった翔。紫に番のことについて話をされ、本音が出てしまう。「…俺が番になろうか?」この一言で、翔と紫の関係が変わっていく。

 「俺、アルファ判定されたんだ。紫(ゆかり)はどうだった?」

 「翔(かける)…俺、オメガ判定された…俺…怖い…」

 「大丈夫だよ!どんなことがあっても俺たちは親友だし、何かあったら守ってやる。約束だ」

 「ありがとな。それにしても、お互いに薬飲む生活はめんどくさいよな~」

 紫は、笑顔を作り俺を見た。俺も紫の不安を消し去るような笑顔を見せた。

 小学生の時に紫とした約束…。そして、俺の中にある密かな独占欲…。バースはあるけれど、自分たちだけは変わらないと信じていた。

 紫に俺の独占欲を隠し通したら、この関係が続くとこのときは信じていた。

 月日は経ち、俺は大学4年になっていた。紫もデザイン系の専門学校を卒業してフリーでデザイナーをしている。

 俺たちは、中学は一緒に親友として過ごし、高校からは紫はネット上で授業が受けられる高校に進学した。デザイン系の専門学校もネットで講義が行われているところに進学した。

 ヒートがあるオメガにとって、アルファと共に生活するということは、かなりリスクがある。そのため、オンライン授業ができる高校や大学、専門学校などが国によって作られ、オメガには推進されていた。

 しかし、俺は、紫と一緒の高校や大学生活を送ってみたかったと、いまでも考えることがある。

 そんなことを思っているある日、紫からSNSで連絡が来た。

 -また施設に入る日が近そうだから今のうちに一緒に飲まないか-

 ちょうど、就職活動も終わり余裕ができた時期なので、つまみを買って飲み明かす覚悟で返信をした。

 -ちょうど、企業にも内定が決まって落ち着いたところだし、今夜は飲み明かそうぜ-

 ラインを送り、落ち葉が舞うキャンパスを後にした。

 19時ごろ、紫のアパートに到着する。インターホンを鳴らすと、少し時間をおいて玄関が開いた。

 サラサラの黒髪でマッシュショート、黒ぶちの眼鏡をかけている紫が笑顔で出迎えてくれた。

 今まで、仕事をしていたのであろうか、瞳の奥に疲れが見える。

 「どうせ、明日くらいに施設に入るんだろ??これで飲もうぜ!!」

 俺は、買ってきた缶チューハイとつまみを見せた。

 「なんだよその言い方…まあ上がれよ」

 少しふてくされながらも、紫は家に招き入れた。いつも通りに整理整頓された部屋に、本棚にはウェブデザインの資料がところせましと並んでいる。

 俺も抑制剤を飲んでいるけれど、紫のにおいがきつくなっているのを感じる。

公開日:

感想・レビュー

レビューはまだありません。最初のレビューを書いてみませんか?

レビューを書く

人気のタグ

ハッピーエンド 甘々 エロい エロエロ 無理矢理 胸キュン ゲイ ほのぼの 年の差 ちょいエロ ノンケ 切ない 同級生 リーマン 年下攻め 誘い受け 職業もの 健気受け シリアス 調教 ドS スーツ エロすぎ注意 絶倫 玩具 メスイキ 鬼畜 社会人 ダーク 幼馴染み

すべてのタグを見る

月間ランキング

  1. 先生!治療が気持ちよすぎます!

    ひとえ3488Views

  2. おにいちゃんの射精管理

    アンノアンズ2528Views

  3. 妾忍びガンギマリ輪姦~寝取られ忍者は主君の愛玩具~

    雷音1709Views

  4. 傲慢調教師~逆調教メス堕チ~

    雷音1666Views

  5. Men’s壁尻~幼馴染みと壁尻稼ぎで孕み堕ち~

    雷音1652Views

  6. 秘書の仕事は性接待

    梅雨紫1003Views

  7. 激愛吸引恥辱~ノンケ大学生とタチ役ウリ専配達員の隠れ遊戯~

    雷音927Views

  8. 雄ふたなりエルフ~奥手な若長オークにHの指南しちゃいました~

    雷音748Views

  9. わからせたい!~玩具で翻弄されて~

    ゆんのん725Views

  10. ストーカーの僕

    クロワッサン712Views

最近のコメント