小さな劣情 (Page 2)

「わかった」

　冷静に。竹彦を怖がらせないように。
　この先も、竹彦が俺を頼るようにしなければ。

「いいか、皮を先っぽに被せたり、剥いたりするんだ。こういうふうに」

　ぴくぴくと揺れる桃色の男根。熱いというよりは、ぽかぽかと温かかった。小さくて俺の手の中にすっぽり収まってしまう。

　ゆるゆると皮を上下させると、竹彦の腰がそれに合わせて揺れた。

　俺は思わず顔が緩んでしまいそうになった。だってこんなに可愛いんだ。
　筒状にした俺の手の中で、性器を擦ろうとしている。なにも知らなかった男が、雄の欲望を無意識に出している。

「あとは、こうやって先っぽをな」

　親指と人差し指の2本で丸い頭を撫でてやると、竹彦は猫のような声をもらした。

「んやぁ」
「気持ちいいだろ？」
「んん……かも、しれん。あ、それ……、うぅ……ぶわってする……」

　竹彦の俺よりもやや小さい手が、俺の寝巻きの袖をぎゅうと掴んだ。引っ張られる布と一緒に、俺の精気もぐいっと持ってかれる気がした。竹彦の尻にあたる俺の硬くなった欲の肉棒。

　少しなら、バレないだろう。

　竹彦のモノを抜きながら、俺は自分の腰も揺らした。
　背徳感が体を昂らせる。

「にいちゃあ、きもちい、もっとごしごししてぇ……」
「ああ、してやる。もっと気持ちよくなろうな」

　一緒に、な。

Fin.