元教え子の行為と好意を跳ね返せなかった高校教師の後悔 (Page 5)
腰の動きが安定しない故に生み出される律動運動のせいか。
まるで精液をしぼり取られるような、締め付けられる快感に悠作は眉間に力を入れてもだえた。
「っ…はぁっ」
(気持ちいいとか、思ってる場合じゃねえのに…)
2人が動く度にぬちゃぬちゃと鈍く鳴る水音が。
らせん状の摩擦熱や絡み付くような締め付けが。
そして、妖しく下腹部を動かして快楽や苦悩に喘ぐ淫らな赤崎の姿が。
悠作には魅惑的に映り、行為を中断する理性を完全に奪っていた。
繰り出される力加減や動きは予測不能なまま、突然訪れた強烈な収縮が悠作の肉をがっちり締め付けた瞬間だった。
熱で浮かされてぼんやりしていた心身に、稲妻を落されたような衝撃が走った。
悠作の肉が、赤崎の中でまたドクンと脈打って膨張する。
「おいっ…本当に、抜けっ」
切迫した声で悠作が懇願するも、赤崎は快楽に濡れた笑みを浮かべたまま言った。
「僕にたくさん、ください…」
満足したと言わんばかりに、強かった締め付けが緩んで力が急激に変化した。
「悠作さんの遺伝子」
「っ…!」
力加減の緩急に堪えられなかった悠作は、妖艶な文句に誘われるまま中で欲情を飛散させた。
「熱くて、気持ちいい…悠作さんの、精液」
射精された感触を堪能してうっとりした声で言うと、赤崎は腰を浮かして悠作の肉欲を解放した。
挿入前は天井を向いて起立していた肉が、今は力をなくしてふにゃんと下向きに萎えている。
「よかった、ですね…道連れに、ならなくて、お互い」
未だ熱や湿りが残る声で呟きながら身なりを整える赤崎に、悠作は心身が疲労していて言葉を返せなかった。
「もう一度だけ言わせてください、悠作さん」
「…」
「少しでもいいので、どうか…僕に興味を持って、ください」
きちんと身なりを整えて真面目な教育実習生の赤崎隼士に戻ると、彼は悠作にそう言い残してこの場を後にした。
悠作にとって赤崎は生徒で教え子だったという事実は、何年経っても変わらない。
だから卒業して、成人しても好意や恋情を抱くべきではないと悠作は思っていた。
しかし…
あの本能的な目でもっと求められたい。
あの純粋な目で健気に愛情を向けられたい。
短くも濃密な行為の中で赤崎が見せた姿に、悠作は心を奪われた。
(アイツはオレを好きで、オレもアイツが気になってる。それなのに…)
これ以上の進展が許されないなんて。
(もっと違う。教師と生徒じゃない、対等な関係で出会っていたら…)
赤崎隼士という生徒に興味を持ってしまった。
その事実と今の立場に、1人になった教室で悠作は初めて後悔した。
Fin.
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