Happiness birthday

・作

准は大学3年生の20歳。一つ上の宏太先輩と最近、付き合い始めた。でも最近、宏太先輩の様子がおかしい。たまに避けるようなときもあって准は不安な毎日を過ごしている。准は気づかなかかった。准の誕生日が近付いてきていたことを…。

青々とした空が広がる昼下がり。
俺は通っている大学の屋上に向かっている。

「いるかなぁ?」

ギィィィっと重たい扉を開けると数人の生徒が居た。その奥に一際目立つイケメンがフェンスに寄りかかって座っている。

「いたいた!宏太先輩!」

俺は宏太先輩に駆け寄って隣に座る。

「おう!准、お疲れー。授業どうだった?」

「もうわけわかんないよ、あんなん眠くなるだけ」

笑った俺につられて笑う宏太。

「そうだ!はい、これ!」

俺は持っていた小さなトートバッグを宏太に渡す。

「何?これ」

「准くん特製お弁当だよー!宏太にいっぱい食べてほしいからたくさん作ってきた」

「えっ!マジで?」

宏太はウキウキしてくれた。
そうそう。俺たちは周りに誰も居なければ呼び捨てで呼び合ってるんです。

「おー!美味そうじゃん!いただき!」

「どうぞ召し上がれ!」

「んー!めっちゃ美味い!!」

「よかったー。あ、宏太?口元にご飯粒が…」

俺が取ってあげたら宏太が取った米粒を俺の指ごと食べた。

「んー。これが一番美味い米粒だな」

ニッと笑う宏太に俺は照れ笑いをした。

「ねぇ、宏太今日はどっか出かけられない?」

「あー、わりぃ。今日ちょっと忙しくて無理」

「…そっか。ならいいよ?けど最近忙しいって多くない?」

「…そうか?前から俺は忙しいやつだからな」

「ふーん」

しばらくすると食べ終わった宏太は忙しそうにどっかに行ってしまった。

最近の宏太はずーっと忙しいって言ってあまりかまってくれない日々が続いていた。

それから一週間後。
なかなか大学でも会わず、もしかして別れたいとか?!なんて不安な日々を過ごしていたらやっと宏太からお誘いの連絡がきた。

俺は嬉しくてデート用にと取っておいた新品の服に身を包み、待ち合わせ場所へと向かった。

「准!お待たせ」

「宏太!やっと会えたー!」

「ごめんごめん」

「もう!ずーっと相手してくれないし大学でも会えないからもうダメかもなんて不安だったんだからね!」

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