キス魔の弟が俺と彼を出逢わせた (Page 3)

「今日はありがとう、おにーさん」

「こ、こっちこそありがとう。ごちそうさまでした」

「うん、美味しかった?」

「うん…」

 ホテルのエントランスで見送られ、俺は湊くんに背中を向ける。

 食事に睡眠薬でも盛られて、連行されるとか思ってたけどそんなことはない。

 まあ本気じゃなかったのだろう。

 俺が好きとか、接点なさすぎで信ぴょう性がない。

(どうせ簡単に抱けるとか思われたんだろうな…)

 ホテルを出る手前、なんとなく振り向いてみる。

 そのとき、湊くんの拳がぎゅっと握られていた。

 笑顔で手を振っているのに、反対の手はぎゅっと力が込められている。

「おにーさん、どうしたの? 忘れ物?」

 少し震えた声に足が止まった。

 単純って思われるかもしれない。それでも、俺を好きだと言った彼の気持ちを無視できなかった。

 引き返して、湊くんの前で足を止める。

「一夜限りじゃないなら、抱かれても…いい」

「…え?」

「遊びじゃないなら、本当に誰とも付き合ってないなら」

*****

 淡いオレンジ色の光に照らされて汗が反射する。

 湊くんの汗が頬に落ち、視線をあげると彼が髪をかきあげた。

 可愛らしい姿なんてこれっぽっちもない。

 体全体が引き締まっていて、服を脱げば『可愛い男の子』の面影なんて微塵もなかった。

 ローションでぐちゃぐちゃになるアナルに、彼の肉棒がくちゅっと音をたてながらくっつく。

「ぁ、待って…」

「怖い?」

「…少し」

 ダサいのはわかってる。わかってるけど、初めては誰だって怖いに決まってる。

 ちゅっと首筋にキスが落ち、胸元を湊くんの指が触れた。

 先端を指先でつままれて、身体がピクリと跳ねる。

 ふーっと胸に息が吹きかかると、ぴちゃりと唾液が乳首にこぼれて舌に愛撫された。

「ぁ、あ…ん」

 最初はくすぐったいだけだったのに、今じゃ触れられるだけで感じてしまう。

 自身のたかぶる肉棒を湊くんの手が上下し、乳首と一緒にいじられて俺はすぐに達した。

「…ぁ、…はぁ…。みな、とく…」

「ミツキさん、すごくきれい…」

「な、んだよ…それ…んぁ!」

 プチュゥと音をたてながらアナルに指が侵入する。

 湊くんの指がお腹の中をかきまわして、俺の肉棒はまたたかぶる。

「はぁぁ…ん…」

「指何本入ってるかわかる?」

「わか、んな…ぁあ、そこっ!」

「ココ、気持ちいね」

 トントンッと何本もの指が一点を刺激する。

「あぁ、んっ…みな、みなとぉ…」

「あんま煽んないでよ、おにーさん」

「ひうっ! あぁ、あんっ! ああっ!」

 指の動きが加速して、ぐちゅんっと大きな音がたつのと同時に俺はまたイッた。

 のけぞった腰はベッドに着地せず、湊くんの腕が支える。

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