籠の中の猫 (Page 3)
めまいがした。俺は中性的な見た目をしていて細い方だからか、今まで男に告白されることはあったけれど、まさか初めて想いを寄せた男性と両想いだったなんて。
自然と目頭が熱くなるのを感じ、思わず獅童さんの肩に顔を押し付けるように埋めた。
そうすると優しくそれでいてしっかりと抱きしめてくれて、頬に触れる暖かい手につられて獅童さんを見上げると、彼の職業とはかけ離れた穏やかな…慈しみに溢れた瞳で見つめてくる。
俺の行動を同意ととってくれたのか、そのまま唇が重なった。
何度も何度も角度を変え、夢中になっている合間に舌が侵入してくる。
ぬるりとした心地よい温かさと湿り気に思わず細く吐息がこぼれ、舌が絡み合うごとに体に甘いしびれが走って力が抜けていってしまう。
「もう我慢できねぇわ…なるべく優しくすっから…俺から逃げんな」
「うん…逃げませんよ。男とするの、初めてだから…少し怖いけど…でも、俺も…獅童さんが好きだから」
俺の言葉に満足そうな笑みを浮かべ、ゆっくり俺をラグの上に押し倒した。
シャツのボタンを丁寧な手つきで外しながら首に顔を埋め、そのまま鎖骨まで舌を這わせてくる。
その感触に肌が粟立つような感覚を覚え、思わず獅童さんの上着を握る。
それに応えるように鎖骨から胸元に吸い付き痕を刻まれ、胸の頂きまで舌が這っていく。
舌先でそれを転がすように愛撫しては時々軽く吸い上げ、むずがゆいような感覚はいつしか快感に変わっていった。
敏感になった胸の頂きを、柔らかく熱を持ったそれでいじられるのが癖になる。
「ん、っ…はぁ…それ、好き…」
「っはは…それなら、もっとしてやるよ」
そう僅かに吐息のこもる声で囁くと、先程よりも細やかな動きでそこを愛撫しながら布越しに俺自身を撫で回してくる。
「おーおー、ご立派に硬くしてんじゃねぇか。もっと可愛がってやんねぇとな」
「ぁっ…言うな…っ…」
獅童さんは、ご機嫌に俺のズボンを下着ごと脱がして直接その大きな手で包み込み、ゆるゆると上下に扱いてくる。
自分で触れるよりも断然気持ちがよく、情けない声が漏れて抑えられない。
そして、ついに俺の先走りをたっぷりまとった指が後孔に触れた。
「っ、あ…ッ…し、獅童さん…」
「大丈夫だから、俺に任せとけ…隼人…」
初めて触れられるそこに思わず彼の名前を呼び、見上げてしまった。
よほど不安な顔をしていたらしく、優しく頭を撫でてキスをしてくれた。
しばらくは後孔を撫でるように触れられていたが、ついにゆっくりと中へ侵入してくる。
慣れない感覚に身を固くしてしまうと、なだめるように俺の唇や頬に口付け、指を前後に動かすのも痛くないよう配慮してくれる。
慎重に中を探られ、敏感な箇所に指の腹が触れるたびに腰がビクビクと反応を示してしまう。
そして慣れてきた頃、指が増えて内壁を擦り上げる面積が増えるともう自分を抑えられない。
「あァっ…はッ、ぁ…し、ど…さん…もう…っ…ああアっ…!」
「ん、このまま一回イっとけ」
目の前で光が弾けるような大きな快楽に獅童さんにきつく抱きつき、腰を痙攣させて達してしまった。
体を支配する波のように引いたり戻ってきたりする余韻にその身を預けていると、獅童さんはゆっくり指を引き抜き、大きく勃起したそれを取り出して後孔へあてがってきた。
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