もっと近くにいよう

・作

温(はる)は甥の拓(ひろむ)と一緒に暮らしている。拓の両親が亡くなり引き取ったのだが、温は拓に恋愛感情を覚えていた。甥という間柄を続けるために線を引いていた温。けれど、温の怪我をきっかけに拓から「好き」と打ち明けられる。温としたい、と拓から言われた温は…。

「う…ん、…」

俺の股間から濡(ぬ)れた音が聞こえる。淫(みだ)らな響きを含むその音は静かな部屋に広がり、俺の体をじっとりと包み込むようだ。

枕やクッションが並べられたベッドに背を預けて右ひざを立てた状態の俺は、下半身に顔をうずめている男の頭に手を伸ばした。
真っ黒でさらさらの髪は、夏の日ざしの熱さが残っている。そっと髪をすき、指のあいだを流れていく感触に15年前のあの夏がふと脳裏によみがえった。

「んんっ…」

俺のモノの鈴口を何度も軽く吸われ、やわやわと口に含まれて舌で舐(な)められる。柔らかで、少しざらっとした感触に全身がぞわぞわした。

どこでこんなことを覚えたんだか…。

このままではヤバい気がして、俺は男の髪をちょっとだけ掴んだ。

「はっ、…温(はる)ちゃん…?」

俺の股間のものから口を離した拓(ひろむ)が顔を上げた。
髪と同じように真っ黒な丸い瞳、すっとした小ぶりの鼻と口。せわしなく呼吸をする唇からのぞく白い歯やうっすらと赤くなった頬…、ボーイッシュな女性といわれれば、それで通ってしまいそうな顔立ちだ。

拓はサポーターが巻かれた俺の右膝に触れないように、俺の体の左側へそろりと動く。しっとりと濡れた瞳に見上げられ、つい今まで拓の口に含まれていた俺のモノにずくずくとした痛みが走った。

「温ちゃん、僕じゃだめ? もっと上手にするから…」

涙をためているような目で見つめられ、僕じゃだめかと問われて…。どんな拷問(ごうもん)だよ? …と思う。俺のモノをさらに刺激するには十分だ。
俺は、拓の濡れた口の端の滴を指で拭う。

「拓。俺の上に乗れ」

拓の丸い目が、いっそう丸くなった。

*****

拓は俺の甥(おい)だ。
15年前の夏、拓の両親が亡くなった。本当に突然のことだった。
俺を含めわずかな近親者だけで、家族葬という形で葬儀を執り行った。

ひとり残された拓は当時8歳。
火葬炉の扉が閉められたとき、それまで静かだった拓がわあわあと泣き出したことを今でもはっきりと覚えている。

控室では誰が拓を引き取るかという話がされていたけれど、色のよい答えは出てこない。
俺はそんな話を拓に聞かせたくなくて冷えたペットボトルを持ち、一緒に控室を出た。

火葬場の敷地内にある駐車場の大きな木の下から空を見上げる。白い煙が空に細い筋を残す。

鼻をぐずぐずさせ、涙まみれの拓の顔を白いハンカチで拭く。
丸い、真っ黒な瞳が揺れている。その瞳は拓の母親でもあった俺の姉によく似ていた。
じっと見つめられ、俺は拓の頭を撫でた。さらさらの黒髪は少し汗ばんでいる。髪をすくと、指の腹に熱さを感じた。

俺は持っていたペットボトルのお茶を拓のおでこに当てた。ペットボトルの表面には水滴がぷつぷつと浮かび、拓のおでこと俺の手を濡らす。

「はるちゃん…」

まさに蚊の鳴くような声で名前を呼ばれたときには、俺の心は決まっていた。

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