【悲報】飼い犬に童貞処女を奪われました! (Page 14)
「ロンを本当の人間にしてください、ロンを本当の人間にしてください、ロンを…あぁ!」
すっかり寒くなった12月の3週目は、ふたご座流星群を拝むチャンスだ。
僕とロンはお揃いのパジャマ姿で身を寄せ合って毛布にくるまり、窓から外を眺めていた。
この数ヶ月で僕の生活はガラリと変わったんだ。少しでも長く彼と一緒にいたくて、実家を離れ、ペットと入居可能な物件で2人暮らしを始めたから。
おかげで、学校とバイト以外の時間はロンとえっち三昧なんだけど…。
ロンってば、おうし座流星群の時も、オリオン座流星群の時も、自分が本当の人間になれるように願わないで『射精しにくい体質にしてほしい』だとか『セックスの最中にすぐへばる亮太の体力を上げてくれ』だとか、余計なことばかりお願いするんだよね。
だから僕が頑張って流れ星にお願いしてるんだけど――3回唱えることってなかなか難しいよ。
「今日はちゃんと『人間にしてください』ってお願いしたでしょ、ロン?」
1回願いごとを叶えている彼に望みを託して、僕は確認したんだけど、その返答に唖(あ)然としちゃったんだ。
『亮太と家庭を築かせて』
ってお願いして、無事に言い切ったって話すもんだからさ。
――ねぇ、ロン。星にお願いなんかしなくても、僕は君のことを世界で一番愛しているし、生涯添い遂げるつもりだよ。
だから長生きすることだけ考えて、ずっと傍にいて。
Fin.
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