【悲報】飼い犬に童貞処女を奪われました! (Page 8)
「人間になって、お前に事故のことを謝って…好きだって伝えられたらそれだけで満足すると思ってたのにさ。亮太が好きな女にフラれて、正直ホっとしてんだ…」
ロンがさっきから話している“女”というのは、恐らく清音さんのことだろう。どうせわからないだろうと、何でもすぐ彼に相談していたことを後悔した。
「フラれた訳じゃないよ…だって僕、告白してないし!」
「――相手があの女じゃなくても、いずれは誰かと付き合って結婚するだろうし、子供だってできるだろ…今、童貞でもさ」
「なっ…!」
この僕が結婚して、子供をもつ将来が想像できないけど…そうなったらいいな。人並の幸せは欲しいから。それにしても、童貞の話は余計でしょ。僕だって傷つくよ。
「犬のクセに、お前を誰かに渡したくないんだ。勢いでキスしちまった時、そう思った。何も知らない亮太の童貞も処女も全部俺のモノにしたい…見ろよ。俺のペニス、亮太の匂いに反応してる」
僕を抱き寄せるロンの腕に力がこもり、彼の筋肉質な胸板が密着した。人間の姿だと僕より背の高いロンが、首を少し傾げながら耳の後ろに鼻を押し当て、スゥっと匂いを嗅いでいるのがわかる。この時僕は、太腿(もも)に押しつけられているロンの陰茎が徐々に反り勃ち、硬くなっていることに気づいてたじろいだ。もしかして、ロン…発情してるの?
飼い犬のペニスを性的な意味合いで凝視することになるなんて信じられない。僕や家族は、彼に合うお嫁さんが見つかった時に交配できるよう、去勢はしなかったけど、人間化した時のソレがこんなにも雄々しいだなんて。僕なんか勃起しても皮から先をほんのちょっと出すのがやっとなのに――彼のペニスは赤黒い亀頭が丸見えで、カリ首より下は血管の筋が浮き出てゴツゴツとしていたし、ふぐりの大きさも立派だった。
「りょう…た…」
苦しそうに呻(うめ)くロンに、僕は何もしてやることができない。そういえば、彼は成犬なのに雌犬の前で発情したことがなかった。手が掛からない子だと思っていたけど、顔を埋めているロンの鼓動は大きな音を立てていて、僕の緊張を高めた。
「ロン、大丈夫…?どうしよう、すごい汗だ…病院に行かなきゃ!」
彼を事故に遭わせてしまった日のことを思い出す。表情を歪める彼をこれ以上見ていられない。僕はどうしたら、君を助けられるんだろう。
「――雄犬は、雌犬が発情する匂いに惹かれて勃起すんだよ。お前も本で読んだろ。今俺を煽ってんのはお前だ…」
『俺を救いたいのなら、協力してくれ』と語りかけてきたロンは、熱っぽさの他に、罪悪感や後悔を滲ませた複雑な表情をしていた。
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