世界一可愛い変態小悪魔 (Page 7)
「…はぁっ…っ…ナオヤ…約束してくれないか?」
「なに…?」
「…もう姉貴とは会うな」
大きく息を吐くと、俺はすがりつくようにナオヤの胸に顔を突っ伏した。
「性に前衛的なあんたらには理解できねぇかもしんないけど、俺は惚れたヤツのことは独占したい」
「ショウちゃん…それって…」
「俺、普段はこんなチョロい男じゃねぇんだぜ?一瞬で好きになったのはあんたが初めてだ」
「ほ…本当なの…?」
「ウソでこんな恥ずかしいこと言えるかよ」
「いいの?僕ったらこんな変態だし…」
「ははっ、それについては俺も大概さ。逆にあんたのおかげで人生楽しめそうだよ」
「ショウちゃん…!」
ナオヤは無理やり俺の顔を持ち上げると、触れるだけのキスをした。
唾液が行き交わなくても、絡み合う舌がなくても、最高に気持ちがいいキスだった。
「ん?…ちょっと待て」
「どうしたの?」
俺は大事なことを思い出し、ナオヤから唇を離した。
「待て待て、あんたはどうなんだよ。返事まだちゃんと聞いてねぇ」
自由奔放に性を謳歌(おうか)してきたであろうナオヤが、果たして自分だけを見てくれるのだろうか。
考えれば考えるほど道のりは険しい気がしてくる。
それでも意を決して返事を乞うた。
「恋人として俺に独占される覚悟あんの?」
するとナオヤの奥がキュッと締まった。
「ぁッ…ん」
「おまっ…今のは返事と思っていいんだな?」
ナオヤは大きく頷くと、あの無邪気な笑顔で俺に抱きついた。
「ショウちゃん大好き!」
「あぁ、俺もだ」
姉貴はセフレを寝取られたと怒るだろうか。
周囲は変態オナニー野郎に絆(ほだ)されたと笑うだろうか。
でも今はそんなことどうでもいい。
俺にとってはこの変態小悪魔が世界一可愛くて仕方ないのだ。
Fin.
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